スペシャルインタビュー vol.1

市制施行50周年。次世代へと向けた多彩な取り組みを進める朝霞市政策企画課

2017(平成29)年に市制施行より50周年を迎えた埼玉県南部に位置する朝霞市。都心部への至便な交通アクセスと武蔵野の面影が残る豊かな自然環境は、子育てしやすい街としても注目を集めています。2016(平成28)年に策定された「第5次朝霞市総合計画」においても、“子育てがしやすいまち”を政策の大きな柱として掲げており、次世代へと向けた多彩な取り組みに注目が集まっています。
今回は朝霞市のシティプロモーションを担当する市長公室政策企画課を訪れ、2020(平成32)年に開催を控えた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への取り組みも含めお話を伺いました。

市長公室政策企画課を中心にシティプロモーションを盛り上げるみなさん
市長公室政策企画課を中心にシティプロモーションを盛り上げるみなさん

武蔵野の面影を残す自然環境と都心部への利便性を兼ね備えたまち

――まずは朝霞市の概要について、市の特色や人口の推移なども含めて教えてください。

朝霞市は埼玉県の南部に位置する人口約13万8千人(取材時点)の市で、都心部からのアクセスも良い東京のベッドタウンとして発展してきました。

市内には東武東上線「朝霞台」駅と「朝霞」駅、JR武蔵野線「北朝霞」駅の3駅があり、東京メトロ有楽町線・副都心線が直通で乗り入れる東武東上線を利用すれば、「池袋」までおよそ20分、「大手町」へも40分と交通至便な環境です。

地域の特性としては、市内のほぼ中央に黒目川が流れており、武蔵野台地の縁にあたる部分には段丘崖という斜面が形成されていたり、荒川へと向かって広がる低地との境界には湧水地もあったりと、起伏に富んだ地形ならではの豊かな自然環境に恵まれています。

春は桜、夏は水遊びも楽しめる「黒目川」
春は桜、夏は水遊びも楽しめる「黒目川」

2017(平成29)年に市制施行50周年を迎えた朝霞市では、「むさしのフロントあさか」をキャッチフレーズとしてシティプロモーションを展開しています。武蔵野の面影を残す自然環境と都心部への利便性をあらわす表現として“むさしのフロント”ということばが生まれました。

「むさしのフロントあさか」のロゴマークとシンボルマーク
「むさしのフロントあさか」のロゴマークとシンボルマーク

「私が 暮らしつづけたいまち 朝霞」に込めた行政のメッセージ

――2016(平成28)年度から2025(平成37)年度の10年間を対象期間とする「第5次朝霞市総合計画」について教えてください。

「私が 暮らしつづけたいまち 朝霞」を将来像としています。“私”という主語を入れたのは、“市民のみなさん一人ひとりが主人公ですよ”というメッセージであり、まちづくりは我々行政だけでなく、“みんなで取り組みましょう”という呼びかけでもあります。

また、子育てを機に転入した若いご家族世帯が増えることはもちろん大変喜ばしいですが、せっかくですので地域にしっかりと根ざして老後を迎えるまで住み続けて欲しい、という願いを“暮らしつづけたいまち”という言葉に込めています。

単に子育てしやすい街というだけではなく、今後の人口減少社会の到来に向けた取り組みとしても何世代にもわたって長く住んでもらえるまちづくりを大事にしたいと考えています。

市制施行50周年記念のブランドブックと朝霞市キャラクターの「ぽぽたん」
市制施行50周年記念のブランドブックと朝霞市キャラクターの「ぽぽたん」

市民の声が市政に生かされる「あさか お・も・て・な・し カフェ」

――市民が主役、市民と一緒に、という言葉が出ましたが、まちづくりへの市民参加について具体的にどのような機会がありますか?

“私”にあたる市民の皆さまによる市政運営への関わりですが、例えば「第5次朝霞市総合計画」を策定する際の「あさか お・も・て・な・し カフェ」が象徴的な取り組みです。

「あさか お・も・て・な・しカフェ」の様子
「あさか お・も・て・な・しカフェ」の様子

朝霞市では初の、「ワールドカフェ方式(参加者がカフェのようにリラックスした状態で、自由に発言したり互いの意見に耳を傾ける機会を増やす会議方法)」を採用した試みで、あらかじめ市内の児童館や子育て支援センター、図書館などの公共施設に「あなたの意見を聞かせてください」とアンケート用の付箋や模造紙を置き、「朝霞のいいところ」「朝霞のよくないところ」「こんな朝霞市にしたい!」という3つのテーマで意見を収集し、当日はそれを切り口にして話題を盛り上げました。

お茶飲み話のようにざっくばらんに話しましょう、という呼びかけに、総勢75名の市民の方にご参加いただき、幅広い層の貴重なご意見を伺うことができました。

小さなお子さんを連れた子育て中のお母さんにもご参加いただいたのですが、自分の意見が市政に生かされていると実感していただける場でもあり、同世代の参加者同士がつながれる場としても楽しんでいただけました。

よさこい鳴子踊りを通して広がるつながりの輪

――その他にも朝霞市ならではのイベントや取り組みはありますか?

朝霞市には「彩夏祭(さいかさい)」という市民参加型のお祭りがあり、3日間で約70万人が来場する市最大のイベントとなっています。商工会の模擬店や屋台村の出店ブース、スポーツフェスティバルや約1万発もの打ち上げ花火などさまざまなプログラムがありますが、目玉と言うべきは本州で最古のよさこい鳴子踊りの祭典「関八州よさこいフェスタ」です。

彩夏祭のフィナーレ!踊り子も観客もみんなで踊る「総踊り」(北朝霞会場・北朝霞ステージ)
彩夏祭のフィナーレ!踊り子も観客もみんなで踊る「総踊り」(北朝霞会場・北朝霞ステージ)

2017(平成29)年度は参加する94チームのうち20チームが子どものみで編成されたチームで、市内の保育園、幼稚園のほとんどが参加しているのですが、子どもの参加を通じてお母さん同士のコミュニティも生まれます。卒園すると今度は自分で入るチームを探すのですが、昨年度から小学校のチームが結成され、中学校にもそれぞれチームがあるので、子どものよさこい鳴子踊りを通じて自然と知り合いの輪が広がっていきます。また各地域にもそれぞれチームがあるので、お母さんと同じ地元のチームに所属したり、親子3代で同じチームに参加するご家族もいらっしゃったりと、このお祭りを通じて知り合いが多くなります。

地域に知り合いが多くなると自然と会話も生まれ、日々の暮らしが楽しくなるものですし、自分の住むまちを良くしたい、新しい人ともつながっていきたいという気持ちが芽生えることで、自然とまちづくりにもつながっていくと思います。参加を通じて地域とのつながりも感じられる貴重な場が「彩夏祭」なんです。

彩夏祭シンボルキャラクター「彩夏ちゃん」と鳴子
彩夏祭シンボルキャラクター「彩夏ちゃん」と鳴子

培われた市民のボランティア精神を東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会へ活かす

――来る東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催へと向けた取り組みについても教えてください。

市内では「陸上自衛隊朝霞訓練場」がオリンピック・パラリンピックの射撃競技の会場となります。射撃競技は第1回の「アテネ大会」から実施されている歴史のあるスポーツで、参加国数は陸上競技に次いで2番目に多いと聞いております。射撃競技の認知を広めるため、先日ビームライフル(実弾を使用しない射撃スポーツ)の体験教室を開催しました。今後も市民向けの講座や子ども向けの講座にも取り組んでいく予定です。

「ビームライフル体験教室」の様子
「ビームライフル体験教室」の様子

また県内でパラリンピックの競技が開催されるのは射撃競技だけということもあり、「共生・共存社会」の実現へと向けた取り組みも去年から力を入れて行っています。パラリンピックそのものについて知ることも含め、講演会にパラリンピアンを招いてお話いただいたりしています。

朝霞市としましては、市制施行50周年という節目のタイミングを迎えたことと合わせ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会というインパクトのあるイベントを、次世代へとつながる朝霞市のシティプロモーションのひとつとして位置づけています。何よりオリンピック・パラリンピックが開催される街というだけでもワクワクするでしょうし、この機会を通じて学ぶ「共生・共存社会の実現」という価値観を残していくのが我々の役目だと思っています。

インタビューの様子
インタビューの様子

開催に向けたハード面の取り組みとしては、もともとの都市計画道路と合わせて「彩夏祭」のメイン会場でもある公園通りから基地跡地側に30メートル拡げるシンボルロードを、また「朝霞」駅から国道254号を経て競技会場までを結ぶ都市計画道路の観音通線の整備を進めています。 またボランティアをはじめとした人材育成においては、埼玉県が実施計画をまとめ、本年度からボランティアの募集・育成を予定していますが、開催へと向けて必要になる取り組みは、街の案内やゴミ拾い、会場の飾り付けなど大会組織委員会が認定するボランティア以外にもいろいろな場面で出番があると思っています。

「彩夏祭」という市民参加型のお祭りを通じてボランティア精神が根付いた街です。「彩夏祭」が終わった翌朝、踊り続けてクタクタなはずの踊り子たちが、朝7時から会場に集まってゴミ拾いをしてくれるんです。その光景を見ると 「本当に良い街だなぁ」と感じます。こういった取り組みの姿勢を見続けているので、ボランティアの取り組みには心配していません。オリンピック・パラリンピックの開催に向け「何かしたい」という機運が高まってきていると感じていますし、市民の皆さまの力をお借りして成功させたいと思っています。

――朝霞台エリア周辺の地域の特色や、魅力についても教えて頂けますでしょうか。

朝霞台エリアは、多くの人が訪れたいと感じるにぎわいのある商業空間の形成を図っています。地元の人たちから愛されるスイーツやパンの名店、おしゃれなイタリアン、フレンチのお店が揃っていたり、JR武蔵野線高架下にはバルや飲み屋が並び、仕事帰りの人たちで賑わいます。また、「産業文化センター」を拠点に朝霞市商工会が市の産業を盛り上げており、「冬のホッとおもてなしバル」、「北朝霞どんぶり王選手権」などのイベントが開かれ、市外からも大勢の方が訪れます。

商工会のほか図書館北朝霞分館も併設される産業文化センター
商工会のほか図書館北朝霞分館も併設される産業文化センター

その一方で、「黒目川」の自然は、憩いの場、ウォーキングコースとしても親しまれ、市民の生活に潤いを与えています。四季を通じた草花、生き物の観察ができ、特に見応えのある桜の季節には「黒目川花まつり」が開かれて多くの人で賑わいます。

また、近くには「東洋大学」のライフデザイン学部があり、黒目川の土手沿いに掲示する「雨が降ったら川から離れよう」といったピクトグラム(絵文字)を学生さんに考案してもらうなど市の取組みに協力していただいています。今後も連携を深めて、共にまちづくりを行っていきたいと考えています。

――最後に朝霞市にこれから住む方へメッセージをお願いします。

朝霞市制施行50周年を記念して、オムニバス形式でまとめられた5編のプロモーションムービーと、市民の皆さまの笑顔を中心に編集したドキュメンタリー映像を制作し、Youtubeでご覧いただけるようにしています。

朝霞市のゆったりとしたのびやかな空間がよく表現されていて、登場人物が大きく伸びをしているシーンに朝霞の魅力があると思います。

プロモーションムービーのワンシーン
プロモーションムービーのワンシーン

現在朝霞市に住んでいる方々の多くは、家と勤め先、いわば「点と点」で生活していて、市内のきれいな景色や朝霞の魅力を実はよく知らない人も少なくないのではないかと思います。ですので我々行政としては、プロモーション映像といった方法も含め、「点と点」から「面」へと生活空間を広げられるような新しい情報発信を内外向けに行うとともに、「彩夏祭」のような自然と育まれる人と人とのつながりを促し、“つながりのある元気なまち”づくりにもより一層取り組んで参ります。

朝霞市には、かつて現代美術家の村上隆さんも制作拠点にしていた「丸沼芸術の森」というアトリエがあり、芸術・文化の素地もあります。また、音楽への取り組みも盛んだったりします。

政策研究チームのみなさん
政策研究チームのみなさん

朝霞市では、「政策研究チーム」を立ち上げてセクションの垣根を超えた研究と取り組みも行っているのですが、行政の視点では気がつかない市の魅力がまだまだあるはずです。朝霞市に住まわれたら、ぜひ市と一緒に考えていきましょう!

朝霞市役所市 長公室政策企画課のみなさん
朝霞市役所市 長公室政策企画課のみなさん

朝霞市役所 市長公室政策企画課のみなさん

所在地:埼玉県朝霞市本町1-1-1
電話番号:048-463-1111(代表)
URL:http://www.city.asaka.lg.jp/
※この情報は2017(平成29)年7月時点のものです。