川越市立中央小学校 校長 小俣仁司先生 インタビュー

まち、ひと、こと、歴史を身近に感じ受け継ぐ「川越市立中央小学校」

「川越市立中央小学校」は1874(明治7)年に開設された「志義学校」を前身とする小学校。校歌、校章に接するとき、また地域の人々が温かく大切に見守る様子からも、受け継がれてきた当校の伝統を感じることができる。3駅が利用できる交通便利性がありながら、近くには小江戸川越と称される「時の鐘」や「蔵造りの町並み」といった歴史的な街並みが広がる。今回は、こうした環境を活かした教育活動や子ども達の日ごろの様子について、校長の小俣仁司先生にお話を伺った。

明治からの歴史を受け継ぎ、次代を担う児童を育てる

小俣仁司校長
小俣仁司校長

――1874(明治7)年に開設された「志義学校」を前身とする小学校と伺いました。

小俣先生:当校は今年で、開校から144年目を迎えました。1874(明治7)年の開学後、1911(明治41)年にこの場所へと場所を変え、現在の「川越市立中央小学校」となったのは1960(昭和35)年のことでした。卒業生はすでに延べ1万人を超え、親子4代で本校に通っていたという話も聞いています。

教育目標には、「次代を担い たくましく生きる児童の育成」を掲げています。この、“次代を担う”ために求められるのが社会を生き抜く力です。本校の児童たちには、6年間でこの力を身に付けていってもらいたいと願っています。

「桐の花」があしらわれた校章
「桐の花」があしらわれた校章

本校の校章について述べさせていただきますと、図形化された「桐の花」があしらわれています。市内にある多くの伝統校は、市の鳥である雁を採用していますが、そのなかで「桐の花」を採用しているのは実は本校だけなのです。これは、桐たんす発祥の地とも言われ、今も多くのお店がある、この地区の歴史と関係しています。この「桐の花」のように、子どもたちにはそれぞれの個性を活かし、色々な花を咲かせていってほしいですね。

――学校の敷地内に、胸像が置かれていましたね。

小俣先生:あれは柳井先生の胸像です。本校の歴史を語るとき――いや、本校そのものを語るときに欠かせない話があります。100年近くも前のことですが、1906(明治39)年9月20日、古谷地区で荒川の電車架橋の視察をした際に、児童が荒川に墜落するという事故がありました。川に落ちた生徒を救わんと、引率していた柳井先生はすぐさま激流に飛び込みました。しかし、前日の大雨で流れが急だったこともあり、2人は助かることなくそのまま流されてしまったのです。

柳井先生の胸像
柳井先生の胸像

それからというもの、この事故を忘れないよう、本校では、今日にいたるまで柳井先生の追悼式を行っています。また、追悼集会に合わせて、命や責任感などをデーマにした道徳の授業を各クラスで実施しています。

行事や授業を通じて、一歩一歩成長する子どもたち

校舎の様子
校舎の様子

――学校行事についてはいかがでしょうか。

小俣先生:本校に限ったことではありませんが、「書きぞめ展覧会」と「美術展」が年に1度開催されますので、そこに向けて児童たちは作品を制作しています。これらは県が主催しているもので、市内の学校の作品が一堂に会する展示は圧巻です。

本校に限ったことで言えば日頃の音楽授業の成果を発表する「音楽会」があります。毎年11月に開催しているもので、保護者の方もご参加いただけます。合唱祭や合唱コンクールのような歌唱と鑑賞だけではなく、そこに演奏も加わることが特徴です。

――異学年で構成されるという「なかよしグループ」について聞かせていただけますか。

小俣先生:「なかよしグループ」は各学年の児童が8人程度のグループをつくり、学校行事や休み時間などで活動するというものです。「川越市」駅から「航空公園」まで向かう全校遠足では、6年生がリーダーシップを発揮しながら後輩たちの安全を確保し、目的地へと向かいます。

元気に授業に取り組む児童たち
元気に授業に取り組む児童たち

こちらは5月に行われるのですが、1年生はまだ遠出に慣れていない子もいますから、高学年の子が低学年の子に電車の乗り方からなにから全てを教えてあげます。こうした行事を通して、年長者にはリーダーシップが、それ以外の子どもにはフォロワーシップが養われていきます。

幼・中・高、そして地域との連携

「川越幼稚園」
「川越幼稚園」

――幼稚園や保育園、また中学校との交流・連携はありますか?

小俣先生:幼稚園に関しては「川越幼稚園」と「双葉幼稚園」の2園と連携をとっています。幼稚園から小学校への進学の際のギャップを埋めるため、小学生が勉強している様子を園児が見学する機会を設けたり、生活科の一環として一緒に遊んだりする機会も設けています。

中学校との連携については、双方の先生が授業の様子を参観したり、それを踏まえて意見を交換したりしています。本校の6年生が中学校を訪ね、授業や部活を見学させてもらうこともありますし、反対に、中学校の生徒会が学校生活を紹介しに来てくれることもあります。

「埼玉県立川越女子高等学校」
「埼玉県立川越女子高等学校」

実は、本校は高校とも交流が盛んなのです。夏休みには「埼玉県立川越女子高等学校」の生徒による「わくわく科学教室」が開催されます。児童たちからの人気が高く、いつも参加率がたいへん高いイベントです。
また、保護者や地域の方々も下校時の見守り、掃除など多くの面で多大な支援をいただいています。

恵まれた立地、受け継がれた資源を活かして

川越の蔵造りの町並み
川越の蔵造りの町並み

――周辺には歴史的建造物や史跡も点在していますね。

小俣先生:身近に歴史を感じられるという意味でも、本校の児童は大変恵まれていると思います。2年生は授業の一環で「菓子屋横丁」や蔵造りの町並みを歩いて歴史を学びますが、公共交通機関を使わずに歩いていける距離にこの環境が広がっているからこそできる行事だと思います。

そしてなによりも、児童やこの街の住民にとって大きな存在となっているのが「川越氷川祭」の存在です。この時期は街全体が大変な盛り上がりを見せます。子どもたちも毎年、この時期を非常に楽しみにしていますね。

「川越」駅
「川越」駅

――川越エリアについては、どのような印象を抱かれていますか。

小俣先生:周辺には塾が点在し、中学受験をする生徒も多いなど、この地区は文教エリアとしての一面が強いかと思います。中学校、高校と進学するときも「本川越」駅、「川越市」駅、「川越」駅の3駅が利用でき、路線を使い分けることができるので便利です。

そして「川越氷川祭」の華やかで楽しい記憶が添えられた幼少時代の原風景――。進学や就職でこの街を出ても、また戻ってくるという話をよく耳にするのは、この街に対する愛着が大きいからではないかなと思います。

小俣仁司先生
小俣仁司先生

川越市立中央小学校

校長 小俣 仁司先生
所在地 :埼玉県川越市中原町1-25
電話番号:049-222-0310
URL:http://www.city.kawagoe.saitama.jp/kosodatekyoiku/sho-chu-ko-shien/shogakko/chuo/yokoso.html
※この情報は2017(平成29)年12月時点のものです。