さいたま市都市局都心整備部インタビュー

さいたま市の都心として、さらなる進化を目指す「さいたま新都心将来ビジョン」

さいたま新都心は、かつては“鉄道のまち・大宮”を象徴した大規模の国鉄操車場跡地を中心とした、大規模な再開発事業からスタートした。2000(平成12)年に街びらきが行われて以来、行政機関やオフィスビルが集まる埼玉県内でも有数のビジネス拠点として発展し、ショッピングやレジャー施設も誕生。居住エリアとしての環境も整えられてきた。現在も、民間事業者を中心にさまざまなところで開発が行われ、さらなる進化にも期待が集まる。
そんな中、2014(平成26)年3月には、さいたま市が『さいたま新都心将来ビジョン』を発表し、これからの街づくりについての道筋を打ち出した。これからさいたま新都心がどのように変貌を遂げていくのか、今回はさいたま市都市局都心整備部都心整備課のご担当者にお話を伺った。

2000(平成12)年の街びらきから今日までの発展

――まずは、今日までの街づくりの沿革について教えてください。

さいたま新都心は、東京への過度な依存を是正し、自立性の高い中枢都市圏を実現することを目的に、鉄道操車場跡地とその周辺の工場跡地などを含め、約47.4haの区域で土地区画整備事業として整備が行われてきました。1991(平成3)年に土地区画整備事業の認可がおり、2000(平成12)年2月に国の機関の移転が開始されて、同年の4月には「さいたま新都心」駅が開業しました。そして、2000(平成12)年5月に街びらきを行いました。その後「さいたまスーパーアリーナ」「けやきひろば」「ラフレさいたま」などがオープンし、2001(平成13)年から2002(平成14)年にかけて民間業務ビルなどが次々と開業。2003(平成15)年3月には土地区画整備事業は完了して基盤整備は終わりました。それ以降も、2004(平成16)年の「コクーン新都心(現・コクーンシティ)」や「首都高速埼玉新都心線」の開業を経て現在に至っています。

さいたま新都心の街並み
さいたま新都心の街並み

『さいたま新都心将来ビジョン』策定の背景と、目指す将来像

――『さいたま新都心将来ビジョン』が策定された背景と、目的やテーマについてお聞かせいただけますでしょうか。

『将来ビジョン』は2014(平成26)年3月に策定されました。都市基盤整備は完了していたのですが、当初の街づくりの目標達成というところでは課題が残されており、大規模な土地利用転換が見込まれる土地がまだいくつかあったことが策定の背景にあります。その概要としましては、これまでの街づくりの成果や社会情勢、さいたま新都心地区における大規模土地利用転換の動向を見据えて、今後の持続可能な街づくりを行うために、さらなるにぎわいを創出し、良好な都市環境の形成に向けた取り組みを検討していくことを目的にしています。

『さいたま新都心将来ビジョン』資料
『さいたま新都心将来ビジョン』資料

3つの課題と具体的な取り組み・進捗状況

――『さいたま新都心将来ビジョン』が掲げる、3つの課題に対する具体的な施策と現在の進捗状況を教えてください。

(1)「広域的な都市活動の拠点、にぎわいあふれるまち」について

こちらの具体的な施策としては、「大規模な土地利用転換の適正な誘導により、新たな都市機能を集積 」「既存の都市機能と新しい都市機能が効果的な活用が図られるよう、相互の回遊動線の整備を検討」「多様な交通手段により、大宮駅周辺地区との連携、機能の補完関係を強化」「交通拠点性を高める新たな交通広場の整備を検討」の4つを掲げています。

「さいたま新都心」の3つの課題と施策
「さいたま新都心」の3つの課題と施策

さらに、「大規模な土地利用転換の適正な誘導により、新たな都市機能を集積 」については、以下の4つの具体的な取り組みを挙げています。
まずはじめが、「片倉工業による商業・業務施設開発計画の促進」です。既にオープンしていた「コクーン新都心」を「コクーン1」に改め、2015(平成27)年の4月にオープンしたショッピングセンターを「コクーン2」に、同年7月にリニューアルした建物を「コクーン3」とし、それらをすべて合わせて「コクーンシティ」という大規模な商業エリアは片倉工業さんによって生み出されました。

コクーンシティ
コクーンシティ

次に、「地区計画に整合した土地利用の促進」ですが、こちらは最初に行われた47.4haの土地区画整備事業のエリア外にあたる浦和区上木崎1丁目地区の開発で、大型のホームセンターを中心としたショッピングモール「スーパービバホーム さいたま新都心店」が2014(平成26)年の12月に開業しました。

スーパービバホームさいたま新都心店
スーパービバホームさいたま新都心店

次に、「三菱マテリアル用地土地利用転換の促進」があります。現在、大宮区北袋町1丁目では地権者である三菱マテリアルさんを中心に土地区画整理事業を行っています。ここには大宮警察署のほかに科学捜査研究所や県警の鑑識課も合わせて移転してくる予定です。また現在は東池袋にある造幣局も移転の予定で、工場棟のほかに博物館も併設されて2016(平成28)年10月の操業を予定していると聞いています(2016年10月3日開局)

最後に、「JR東日本による開発計画の促進」では、「さいたま新都心」駅を降りてすぐの土地に、JRがホテルや商業施設、オフィス、ブライダル施設、子育て支援などの機能が入る複合施設を現在建設中です。

その他の回遊性の向上や大宮駅周辺との連携に関しては検討中です。

工事が進む(仮称)さいたま新都心ビル
工事が進む(仮称)さいたま新都心ビル

(2)「広域的な安心・安全を担うまち」について

こちらの具体的な施策として「広域防災機能の向上」と「災害拠点病院整備の促進」の2つを掲げています。「広域防災機能の向上」については、三菱マテリアル用地にオープンスペースの創出を考えております。さいたま新都心には複数の国の行政機関や「さいたまスーパーアリーナ」などがありますので、それらと連携できるような防災機能をもつ都市公園の整備を検討しています。

「災害拠点病院整備の促進」については、「さいたま新都心」駅近くへの「さいたま赤十字病院」と「埼玉県立小児医療センター」の移転計画が決まっており、現在そのための工事が行われているところです。両病院とも2016(平成28)年に開業予定だと聞いております。

埼玉県立小児医療センター 新病院(左)、さいたま赤十字病院(右)
埼玉県立小児医療センター 新病院(左)、さいたま赤十字病院(右)

(3)「豊かなみどりと都市機能が融合するまち」について

こちらは、「みどりのネットワーク形成推進」を施策として掲げていますが、現在具体的な実施内容は検討中のため整備が着手されている状況ではございません。

(4)その他、今後検討している計画について

「大宮」駅周辺の自動車交通のターミナル機能の飽和状態を緩和するため、交通広場をメインに、公共公益施設として具体的にどのような施設にしていくかを検討しているところです。また南北の歩行者動線の強化に向けた歩行者デッキの整備についても検討中です。

けやきひろば
けやきひろば

さいたま新都心“ならでは”のまちづくりの魅力

――さいたま新都心における、まちづくりの特徴や、地域の魅力とはどのような点だと思われますか?

1997(平成9)年に全国に先駆けて「さいたま新都心バリアフリー都市宣言」を行い、子どもからお年寄りまでのすべての人が安心して活動できる優しいまちづくりに取り組んでいる街です。具体的には、街全体に2階レベルでデッキが整備され、歩行者用の屋根が連動して設置してあります。また、車と歩行者を完全に分離することで、安全な歩行空間を確保しています。そのほか、「けやきひろば」の1階の「ふれあいプラザ(※)」では、地域ボランティアである「さいたま新都心バリアフリーまちづくりボランティア」の活動拠点として、車イスの貸し出しやサポートや行っています。(※平成28年1月上旬から8月上旬まで、けやきひろばのリニューアル改修工事に伴い、仮移転しています。)

ふれあいプラザ
ふれあいプラザ

「さいたま新都心まちづくり推進協議会」という地権者の方を中心としたまちづくり組織では、魅力あふれる都市景観の創出に努め、地区内のゴミ拾いや冬のイルミネーション事業も行っており、そうした協力的・積極的なまちづくりが、この街の魅力として挙げられると思います。

今後への想い

――最後に、今後のまちづくり対する意気込みをお聞かせください。

さいたま新都心は、周辺も含めてさいたま市の都心のひとつとして位置づけられている場所で、東日本の交通の要衝である「大宮」駅が隣接し、首都圏や国内外のさまざまな人が行き交うポテンシャルの高い地域と言えます。先日行われた国際的な自転車イベント「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」や「さいたま国際マラソン」なども開催されます。この『将来ビジョン』は、市民と事業者と我々行政が将来像を共有し、実現に向けて取組むための基本的な指針になっておりますので、それぞれが連携しながら、さいたま市の都心にふさわしい街づくりに取り組んでいきたいです。

多くの人が行き交う、さいたま新都心駅
多くの人が行き交う、さいたま新都心駅

 

さいたま市役所
さいたま市役所

今回お話を聞いた人

さいたま市都市局都心整備部都心整備課
ご担当者様
住所:さいたま市浦和区常盤6-4-4
TEL :048-829-1577
http://www.city.saitama.jp/006/015/049/003/p007142.html
※この情報は2015(平成27)年11月時点のものです。