坪単価・価格のデータ推移

再開発計画のある駅の分譲マンションの価格・坪単価の推移をデータで見てみました

再開発計画による駅周辺の大型ショッピング施設や公園などのインフラ整備への期待が、分譲マンションの販売価格・坪単価の上昇へと影響を及ぼしているケースがある。今回、西武線沿線や埼玉県、神奈川県の幾つかの再開発エリアのケースで、坪単価・価格の推移を見てみた。(MRC「分譲マンションデータ首都圏版」より)

◇分譲マンションは、「駅近化」が進み、価格も高騰へ!

2016年と2017年比較で、駅距離別の首都圏分譲マンションの割合は、下記の円グラフの通り、「徒歩5分以内」の駅近マンションの戸数が、18.5%増加。供給の割合も11%増加。これに対して、「徒歩10分超・他(バスなど)」の駅遠物件の戸数がそのまま減少。「徒歩6分~10分」の中間距離マンションは、ほぼ変わらず。
首都圏のマンション市場では、マンションの駅近化が進み、販売価格・坪単価の相場が顕著に上昇しているが、売行きも好調に推移している。

(*MRCマンションデータマップより)
(*MRCマンションデータマップより)

「駅徒歩5分以内」物件と「徒歩6分~10分」物件の上記比較表で見ると、徒歩5分以内の駅近物件が平均価格で732万円・坪単価で50.8万円も高い。率で11%~15%も駅近が高くなっている。面積は、逆に、駅近物件が3.5㎡狭くなっている。(ほぼ1坪狭小)
732万円高額で約1坪狭くなっているが、初月80.5%と好調な売行き。累計でも97.9%成約率が高い。「徒歩6~10分」物件よりも高い売行きとなる。

「駅近」だけで、「価格が高くても売行きが良い」のではない。駅周辺の「再開発事業」によって、駅のポテンシャルが格段に上がり、マンションの評価も価格に反映され高騰している。再開発駅での「徒歩10分以内」と「徒歩5分以内」の供給戸数・坪単価の推移を確認してみた。

◇JR「浦和」駅のケース

JR「浦和」駅西口、2020年完成予定。超高層複合ビル計画

JR浦和駅西口ビル
JR浦和駅西口ビル

JR「浦和」駅は、2020年完成を目指して「浦和駅西口南高砂地区第一種市街地再開発事業」を2017年に着工予定(計画内容の変更にてやや遅れている模様)。施行区域1.8ha、西口駅前広場に面して、住宅・商業・業務・公共公益施設などからなる地下3階・地上27階建て・高さ99mの超高層複合ビル計画が進行中。

浦和駅西口南高砂地区第一種市街地再開発事業(出典:平成29年9月 都市経営戦略会議資料)
浦和駅西口南高砂地区第一種市街地再開発事業(出典:平成29年9月 都市経営戦略会議資料)

●JR「浦和」駅、徒歩10分以内の分譲マンション。2017年1年間で発売321戸。2004年以来の300戸超えで、初月契約88%と好調な売行き。

●「東口再開発完成」の2007年@201.5万円→2015年の最高坪単価@333.3万円へ上昇。高騰率165%となる。

◇JR中央線「国分寺」駅のケース

約半世紀にわたって取組んだ再開発事業。

「国分寺」駅
「国分寺」駅

「国分寺駅北口第一種市街地再開発事業」、敷地面積2.1㏊,住宅、事務所、店舗、公益、業務の複合ツインタワー。東地区35階・西地区36階、住宅合計で587戸が駅徒歩1分で直結。2015年7月に着工、本年2018年1月下旬に竣工。

●2011年以降、駅徒歩5分以内の供給のみ。2015年の再開発事業着工時以降では、399戸の供給。初月契約87%と好調販売のエリア。

●徒歩6~10分の物件は2010年、平均坪単価@202.4万円の水準。徒歩5分以下平均では、220.5万円で@18.1万円高い程度。以降、2016年の平均@421.8万円で史上最高値。2010年時より1.9倍へ高騰。2017年平均坪単価@389.3万円と@400万円近く依然と高単価相場が継続中。

◇京王線「府中」駅のケース

1967年の構想から50年余。最終「第1地区」竣工で、2017年に再開発が完結。

「府中」駅
「府中」駅

「府中駅南口地区再開発計画」は、1967年の構想から、1982年に都市計画決定が行われ、1996年に第二地区の「伊勢丹・フォーリス」が完成、2005年に第三地区の「くるる」(ショッピング・複合ビル)が完成。そして最終街区となる第一地区が2017年に竣工して、府中駅南側地域の再開発事業が完結。

●2011年以降、駅徒歩5分以内の供給のみ。2015年の再開発事業着工時以降では、399戸の供給。初月契約87%と好調販売のエリア。

●徒歩5分以内の物件は2006年、平均坪単価@219.6万円から2016年平均@349.7万円の史上最高値へ高騰。10年で、約1.6倍の上昇。

◇東急東横線「武蔵小杉」駅のケース

超高層タワーマンションが12物件・6,200戸余り供給。

「武蔵小杉」駅周辺
「武蔵小杉」駅周辺

2006年以降に連鎖的に再開発が進行し、超高層マンションが建ち並ぶ街並みとなった。 2010年3月、JR横須賀線に駅が新設、南武線との乗換連絡通路も設置。また、2013年3月東急東横線は東京メトロ副都心線や西武池袋線(西武有楽町線経由)、東武東上線に乗り入れ。鉄道網は今後、相鉄本線(相鉄いずみ野線)との直通運転が予定され、更なるアクセスの整備を見込む。

2018年現在、20階以上のタワーマンション12物件・6,237戸が分譲済み。

●「駅徒歩5分以内」物件は、比較的高い割合で供給。2016年・2017年では、徒歩10分以内の戸数が概ね占める。

●坪単価は、「歩5分以下」物件が減少する2014年以降で急騰する。2013年・平均坪単価@282.9万円が、2015年では、@400万円に迫る@398.8万円。上昇額115.9万円で、高騰率140.9%。

●「徒歩6~10分」は、2015年より@300万円を超え、「徒歩5分以内」物件が減少傾向の中で、徒歩10分以内物件の上昇傾向が強まっている。