さいたま市環境共生部環境未来都市推進課 インタビュー

どの分野においても最先端の街へ。浦和美園エリア開発の先に見える姿

次々と新しい住宅やマンションが建ち並び、発展をみせている浦和美園エリア。ここ十数年で景色もだいぶ変わった。子育て世代を中心にしたまちづくりを行うさいたま市の革新的な取り組みには、「こんなに住みやすい街になるのか」と期待を抱かずにはいられない。 今回は、浦和美園エリアのまちづくりを推進している「さいたま市 環境共生部 環境未来都市推進課」に現在の開発状況や、市が目指す夢あふれる「未来都市」の姿について話を伺った。

「より住みやすく」白いキャンバスに描く浦和美園の未来

――浦和美園エリアの現在の開発状況やまちづくり状況について教えてください。

有山さん:浦和美園エリアは全体で約320ヘクタールある広大なエリアです。元々、農地だった土地を宅地に変えるための4つの区画整理事業を進めていて、現在3分の2程度目処がついています。住宅や商業施設、マンションが少しずつ建ちはじめ、土台ができてきた段階で、宅地としての活用が今後見込まれるという状況です。現在の人口は約6,500人で、計画人口32,000人に向けて、開発を進めています。白いキャンバスのように、これから自由自在に色を付けていける地域だと考えております。

浦和美園の未来を語ってくださった有山さん
浦和美園の未来を語ってくださった有山さん

――まちづくりの一環として取り組まれている「次世代自動車の普及」とは、具体的にどのようなことをされているのでしょうか?

有山さん:電気自動車普及施策「E-KIZUNA Project」を通して、次世代自動車といわれるEV(電気自動車)や水素を使ったFCV(燃料電池自動車)などの普及を以前から行っています。行政だけでは形にするのが難しい部分を、民間や官学と協力し合い、さまざまな施策に取り組んでいます。 EVは、一度の充電で可能な走行距離が短いので、例え車両が普及したとしても、インフラ整備がされていないと移動手段として機能しません。さいたま市は現在、充電するためのEVステーションを160箇所以上設置していますが、これも行政だけではなく、民間の協力があって実現していることなのです。自動車メーカーの販売店や商業施設にEVの充電器を設置していただくなど、各企業や団体の持つ資産を積極的に活用して施策を広める努力をしています。 次世代自動車は、移動手段としてだけではなく、「V2H」という住宅に電力を供給できるという機能も持ち合わせています。災害時に電源が落ちてしまったという場合でも、「V2H」が入っている家庭で、EVがあれば、自宅の電力を自動車でまかなうこともできるのです。平時だけでなく、災害時にも利用できるという点が、国が推進する国土強靭化にもつながると考えています。

次世代自動車の普及を目指している
次世代自動車の普及を目指している

――課の名称にもなっている「環境未来都市」とはどのような都市を指すのでしょうか?

有山さん:国の目指す「環境未来都市」というのは、環境・社会・経済3つの価値を創造していくという動きで、誰もが暮らしたいと思える活力ある街の実現を目指すというものです。 現在暮らしやすさ上位に位置しているさいたま市は、その暮らしやすさをいかに高めていけるかという点に力を注いでいます。それはつまり、住民にとって生活しやすいサービスの提供をしたり、環境ビジネスの分野に限らず、事業を動かすことで市内経済を活性化させていくということですね。「安心・安全・快適・便利」をどんどん高めていきたいと考えています。

ワンストップであらゆる情報が得られる快適なシステムづくり

新たなシステムづくりが計画されている
新たなシステムづくりが計画されている

――浦和美園エリアの課題と、それに対する取り組みの具体例を教えていただけますか?

有山さん:浦和美園エリアの住民の悩みごととして想定されるひとつに、勤務先が都内で共働きの子育て世代のご家族に”ゆとりの時間”がないというものがあります。通勤や子どもの送り迎え、買い物など、すべてをこなすと時間がとられてしまい、ほっと落ち着ける時間がないのです。そこで現在開発中の、メーカーやデバイスを問わずにあらゆるものが繋がれる「共通プラットフォームさいたま版」を活用できないかというアイディアがあります。 例えば会社から帰宅する際に、「今日の帰宅時間は18時、夕飯はカレーライス」という情報をアプリに送信すると、共通プラットフォームから連動先に連絡が行くような仕組みを想定しています。保育園が連動先に設定されていれば、「○○ちゃんのお母さん、18時にお迎え」と園内のモニターに表示されることで、お母さんが到着する頃には子どもの帰る準備が整っているかもしれません。また、今後駅に「webロッカー」を設置する計画もあるのですが、webからスーパーへ頼んだ商品がそのロッカーに届き、スーパーに寄らずに帰宅できます。これらをうまく繋げられると、それぞれ短縮できる時間は少しかもしれませんが、帰宅までの過程を総合すると全体で時間がぐっと短縮できると考えています。自分の時間や子どもと過ごす時間に当てられる「ゆとり」を提供していきたいという想いがあります。

住民の声を積極的に取り入れる

――「継続的に成長する環境未来都市の実現」を目指していらっしゃいますが、成長を続けるために大切なことは何でしょうか?

有山さん:先ほど話にもでましたが、生活がしやすいまちづくりに取り組むためには、行政だけの力ではなく、民間企業や団体との協力が重要だと考えています。現在、浦和美園エリアでは、まさに公民+学一体となり、新たなサービスの提供やイノベーションを起こすべく「アーバンデザインセンターみその」を設置しています。成長をしていくためにはこのような取り組みが非常に大切だと考えています。 同センターでは、これまで交わることがなかった業種の人たちが意見交換をし、実証をすることで新たな価値の創造やサービスの提供に取り組んでいます。ここは、地域の方々と直接つながる場でもあるので、ぜひ活用していきたいですね。

「アーバンデザインセンターみその」から新たなサービス提供も
「アーバンデザインセンターみその」から新たなサービス提供も

――まちづくりを進めていくうえで、住民と触れ合う機会を大切にしているのですね。

有山さん:浦和美園エリアに関しては、まちづくり拠点である「アーバンデザインセンターみその」を通して、地域住民としっかりと意見交換を行えているのではないでしょうか。同センターの中には、「この街で実現してほしいこと」をふせんに書いて自由に貼っていただくスペースを設けており、そういった生の声を受けて次の取り組みへの検討も進めています。また、超小型モビリティ「ホンダMC-β」や燃料電池自動車の試乗会などでは、実際に多くの方に参加いただいています。その場で感想をいただいたり、今後のEV・FCVの活用に対する質問や意見が寄せられたりと、多くの方に関心を持っていただいていると実感しています。
実はこの「ホンダMC-β」にはエアコンがついていないのですが、元々は窓もありませんでした。そこで、実際に試乗した方の意見を受けて、今では簡易的な窓をつけており、意見を積極的に反映させていただいています。

試乗会には多くの方が参加している
試乗会には多くの方が参加している

「安心・安全・快適・便利」な街を目指して

――浦和美園エリアの魅力と、今後の展望についてお聞かせください。

有山さん:これだけ大規模な開発が進んでいる都市で、かつ都心に近いという街は数少ないと思います。電車はもちろん、国道も走っているので、交通の便が非常に良いのは強みではないでしょうか。そして、なによりこれから一層開発が進み、住民の声を積極的に取り入れながら柔軟に成長していく街なので、これからを期待していただけると考えています。最終的には、「安心・安全・快適・便利」を突き詰めた街を目指しています。環境局ではありますが、環境だけではなく、食、教育、健康、交通といった市民生活を包含するあらゆる分野を一体的に取り組む必要があると考えています。現在、50〜60ほどの事業を並行して進めていて、どれも浦和美園にはこれまでなかったようなサービスです。ある特定の分野だけ秀でているというのではなく、どの分野においても最先端である街にしていきたいと考えています。

まさに「未来都市」。浦和美園エリア開発の先に見える姿
まさに「未来都市」。浦和美園エリア開発の先に見える姿

さいたま市役所

環境共生部環境未来都市推進課 有山 信之さん
所在地 :さいたま市浦和区常盤6-4-4
TEL :048-829-1329
URL:http://www.city.saitama.jp/soshiki/0015003/0015005/0015038/index.html
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。