鶴ヶ島市立藤小学校 校長 インタビュー

緑豊かな自然の中で地域とともに歩む「鶴ヶ島市立藤小学校」

1983(昭和58)年4月に開校した「鶴ヶ島市立藤小学校」は、卒業生を送り出しながら街の変遷を見守ってきた。擬音語から始まる印象的な校歌からは、街づくりが進められた当時の様子が窺える。生徒、地域の“交流”に重きを置き、自信と誇りを抱ける学校を理想としている同校を訪ねることにした。

成熟度を高めていく“進行形”の街と「藤小学校」

「鶴ヶ島市立藤小学校」校長の向田正人先生
「鶴ヶ島市立藤小学校」校長の向田正人先生

学校の歴史と特徴

――まずは、「藤小学校」の概要から聞かせてください。

向田先生:本校は1983(昭和58)年4月、全18学級・児童数695名で発足し、2012(平成24)年4月には開校30周年を迎えました。本校の“ダダダダダダ”という擬音語から始まる校歌に関しては、全国的に見ても際立つものではないかと思います。“ダダダダダダ”の後につづくのは“走るハイウェイ”です。これは当時、街のいたるところで聞こえていた建設工事の音と、街づくりが進められていた様子が歌詞になったものです。

「鶴ヶ島市立藤小学校」の外観
「鶴ヶ島市立藤小学校」の外観

――「藤小学校」では、どのような教育目標を掲げているのですか?

向田先生:本校の教育目標は“進んで学ぶ子”、“思いやりのある子”、“最後までがんばる子”の育成です。それと並行して、子どもたちに自信と誇りを持ってもらえる学校にしようという想いで我々も取り組んでいます。自信も誇りも、一朝一夕で育めるものではなく、日々の積み重ねが求められます。子どもたち自身が頑張ることも大切ですが、保護者、学校、そして地域の力が必要だと考えています。

「鶴ヶ島市立藤小学校」の廊下
「鶴ヶ島市立藤小学校」の廊下

――学習面において、特色のある授業や学力向上のために工夫されていることはありますか?

向田先生:本校では、学習に“学び合い”を取り入れています。“学び合い”というのは、校内の友だちとの交流を意味するのですが、協力して問題を解いたり、話し合ったりすることが大切と考えています。朝の学習時においても、個人で発表することももちろん大切ですが、子どもたちが分かち合える内容で発表したり、話し合ったりしています。

学びの中に交流を
学びの中に交流を

それ以外では、授業で分からないところがあった子どもを対象にした少人数指導や、“つまずきの解消”と“基礎基本の定着”を目的とした「のびのび算数教室」も開いています。そして特徴的な試みとしては、校内各所に用意された問題を子どもたちが解いてまわる「藤小ポケもんGO」も実施しました。

――特徴的な課外活動などあれば教えてください。

向田先生:2015(平成27)年度から“地域福祉”をテーマにした単元を実施しています。校庭の向こうに「藤金市民の森」があるのですが、そこはかつて不法投棄が問題視された場所でした。市民の森として生まれ変わり、NPO法人が管理しているその「藤金市民の森」を教材とし、そこに流れる川に生息している外来魚の問題をはじめ、管理者としての苦労、自然環境を維持することの大切さを子どもたちに伝えています。

地域福祉をテーマとした学び
地域福祉をテーマとした学び

様々な“連携”から学びを深める

――他と連携して取り組んでいることがあれば伺えますか?

向田先生:幼稚園との交流に関しては、園児を招き、校内を案内することもありますし、反対に本校の子どもたちが職場体験で訪問することもあります。すぐ近くにある「藤中学校」とも連携し、生徒に来てもらい、家庭科の授業やあいさつ運動を手伝ってもらうこともあります。先輩である中学生に対する憧れを抱き、また中学生も後輩たちに良いところを見せようとする良い相互関係が築かれています。

幼稚園、中学校との交流
幼稚園、中学校との交流

――では、地域との交流についてはいかがでしょうか。

向田先生:“高齢者福祉”をテーマにした単元があり、その一環で高齢者施設を訪ねることもあります。最初は子どもたちが恥ずかしがり、なかなか会話が進まないのですが、時間とともに互いの距離が縮まり、どうすれば一緒に楽しい時間を過ごせるかを子どもたちは考えるようになります。子どもたちが自然に心を近づけようとすることに、大きな意味があるのではないかと考えています。

地域コミュニティや命について考えられる環境
地域コミュニティや命について考えられる環境

また、直接的な地域との交流ということではありませんが、大規模地震の発生を想定した避難所運営ゲーム「HUG」を実施。地域の民生委員を招き、避難所の運営には何が必要で、どのように行動すべきかを話し合います。自然災害に備えることだけでなく、地域コミュティの大切さや、命の大切さについて改めて考え直すきっかけになっていると思います。

――保護者との協力体制についてはいかがですか?

向田先生:協力的な方が多いので、本校としても色々な場面で助けられています。まだ「おやじの会」のような組織は存在しませんが、それも含めて築き上げている最中の“進行形”の学校だと考えています。

「鶴ヶ島市立藤小学校」の教室
「鶴ヶ島市立藤小学校」の教室

――学校周辺や若葉エリアの子育て環境・住環境に関してですが、どのような印象を抱いていますか?

向田先生:実は12年前、私は本校で教諭をしていました。「若葉」駅西口の整備が開始される前後のことで、周辺は畑が多く、いたるところにまだ砂利道が残っていました。一方で、これから街が発展していくという期待も随所で感じられたのを覚えています。街づくりも一段落し、新旧の融合が進んだ現在は、成熟の段階に入っていると言えるかもしれません。街には落ち着きがあり、さらに自然環境も良好です。通勤・通学についても、鉄道も自動車も優れたアクセス性があるため、とても住みやすい街ではないかなと感じています。

進行形の街と学校
進行形の街と学校

「鶴ヶ島市立藤小学校」 向井正人校長先生
「鶴ヶ島市立藤小学校」 向井正人校長先生

鶴ヶ島市立藤小学校

校長 向田正人さん
所在地 :埼玉県鶴ヶ島市大字藤金330
TEL :049-285-6220
URL:http://academic4.plala.or.jp/fuji-s/
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。