八潮かえで保育園インタビュー

その子らしさを大切に。地域に根差した保育園

「八潮かえで保育園」は、つくばエクスプレス「八潮」駅から徒歩3分の私立認可保育園だ。開園3年目とまだ新しい園でありながら、子どもたちの特性を尊重した保育や働く保護者の支援に力を入れ、地域に根差した保育園として親しまれている。食育や裸足保育などさまざまなこだわりを持つ園でどのように子どもたちを育んでいるのか、園長の紺野伊久子先生にお話を聞いてきた。

“共育て”を理念に働く保護者を支援

―園の沿革・概要を教えてください。

園舎外観
園舎外観

紺野園長:設置主体となるすこやか福祉会は、東京都東部地域を中心に福祉・介護サービス関連の事業所を40ヵ所以上も展開している社会福祉法人です。葛飾区水元で30年以上運営してきた共同保育所が認可保育園になった時に法人格を取得しました。「八潮かえで保育園」は2013(平成25)年の開園で、水元に続いて法人が運営する2ヵ所目の保育園となります。
当園は地域の子育てを応援する、地域に根差した保育園を目指しています。保育にあたっては“共育て”、子どもを真ん中に保護者と一緒に子育てしていくという保育理念を大切にしています。子どもたちの生きる力を育てていくために、その子らしさを大事にしながら、子ども一人ひとりを大切に育てていきたい。保護者が安心して働き続けられるように、産休明け保育や延長保育、一時保育も行い、障がいやアレルギーのある子も受け入れています。

―受入れ状況や園児数はいかがでしょうか?

外光がよく入る室内
外光がよく入る室内

紺野園長:0歳から5歳児までの6クラスで、定員は85人です。駅近で保育内容が充実しているため人気がありますが、受け入れ枠が少ないのが現状です。0歳児クラスの9人がそのまま持ち上がっていくので、途中で入れる子もどうしても限られてしまいますね。
八潮はつくばエクスプレスの開通で私立保育園が増え、公立と私立で計15ヵ所もの保育園があります。ただ、駅周辺はマンションの増加などで待機児童が多く、公立はともかく、私立はどこも満員の状態です。とはいえ、今年は駅周辺に地域型の小規模保育が4~5ヵ所開園するので、働くお母さんたちはもっと子育てしやすくなると思いますよ。

泥んこ遊びや保存食作りなど体験を通して学ぶ

―園のこだわり・特色はどのような点でしょうか。

きちんと整頓された園の備品
きちんと整頓された園の備品

紺野園長:乳児は担当制保育にし、同じ保育士が“第2のお母さん”となって、食事・排泄・午睡など生活面を丁寧にみています。乳児は担当保育士を拠りどころに、だんだん人間関係を広げていくことができます。
3歳から5歳児は異年齢の2グループで過ごします。2階に3歳から5歳児が合同で使えるスペースがあり、食事や雨の日の体育遊びなどホール的に使っています。異年齢にすることでより広い人間関係が育ちますし、1グループに2人とより手厚く保育士を配置できるので子どもたちが安心して過ごすことができます。
自然に触れることでいろいろな力を養ってほしいと、園庭では畑や土に触れることを大事にしています。泥ピカ団子を作って楽しんだり、園庭の隅に畑を作っていろいろな野菜を育てたり。また栄養士を2人配置し、食育にも力を入れています。園庭の畑で採れた野菜を調理して食べたり、味噌や切干大根といった保存食まで作っていますよ。

―普段、園児と接するなかで、心がけていることがあれば教えてください。

給食を準備する様子
給食を準備する様子

紺野園長:上から押し付ける関係ではなく、子どもの発想や発信を大事にした保育園づくりを大事にしています。子どもたちと対等な関係でありたいと、保育士は子どもたちや保護者から「〇〇先生」ではなく、名字や下の名前に「さん」をつけて呼んでもらっています。否定語もなるべく使わないように心がけていますね。
遊びについても、子どもたちの発想からいろいろな遊びが展開されていいはずです。ワークブックを使うのが遊びだけではなく、自然に触れて体を使って仲間の中で遊ぶことが大切。そこで、子どもたちの発達に合わせて、学びにつながるさまざまな遊びを体験させています。保育士の側も日々の保育から子どもたちの関心や発想を拾う訓練をし、子どもを見る目を養うための努力をしています。

異年齢の子どもたちが一緒に食事を楽しんでいる
異年齢の子どもたちが一緒に食事を楽しんでいる

今は自己肯定感を持てる子どもが多くありません。保育士や異年齢の子、障がいをもった子などが関わり合い、園全体で多様な人間関係を培える環境を作ることで、乳幼児のうちに「いろいろな人がいていいし、自分も苦手なことがあっていいんだ」と感じてもらえれば、社会へ出た時に自分に自信が持てるのではないでしょうか。

地域住民やOBが“サポーターズクラブ”を結成

―地域との関わりについてお聞かせください

クラスの名前
クラスの名前

紺野園長:園庭の木は、クラスの名前と同じ果物の木を地域の方からいただいて植えたものです。秋には砂場の上の棚にブドウがなって、収穫できるようになりました。またいつも野菜をくださる農家の方には、バザーでも野菜を提供していただいています。
開園前から今に至るまで地元のみなさんにすごく歓迎されていて、町会長はじめ地域の方や卒園児の保護者らが“サポーターズクラブ”を作って園に協力してくれています。活動としては年に数回、園の取組みを紹介するニュースレターを発行したり、コンサートなど卒園児も参加できるような行事を企画してくれたり。バザーの際には若いお母さんを助けて売り子のお手伝いもしてくれます。5歳児は卒園前に筑波山の前山へ山登り遠足へ行くのですが、その時もサポーターズクラブの方にリードしてもらっています。

季節になるとブドウが収穫できる
季節になるとブドウが収穫できる

園としても地域の子育てを応援する保育園でありたいと、月に1回、園庭開放日を設けています。また年に1~2回、子育てサロンのような形でアロマのベビーマッサージなども開いています。

自然が豊かで駅周辺に保育園が充実

―八潮の街の魅力を教えてください

やしおフラワーパーク
やしおフラワーパーク

紺野園長:私は以前八潮に住んでいて、ここで子育てをしました。当時と比べて開発が進みましたが、木がたくさんある古い公園があったりと、自然がいっぱい残っています。園児たちも毎日、近くの公園へお散歩に行きます。園から30分ぐらい歩くと中川の河川敷に「中川やしおフラワーパーク」があって、春は桃の花と菜の花が一斉に咲いてとてもきれいです。また駅が近いので、電車を利用して出かけるのに便利ですね。特に駅周辺は保育園が充実し、買い物するにもたいていのものが揃うので、子育てしやすい環境にあると思います。

―これから八潮エリアに住む方へのメッセージをお願します。

紺野園長:この園は地域の財産でもあり、人材や園庭を含めて地域のみなさんに開放し、子育てのノウハウをもっと発信していきたいと思っています。働く親の立場に立ち、親御さんがひとりで悩まないように、寄り添うという姿勢を大切にしたい。お子さんをお預りしていない方を含めて、いつでも相談に立ち寄ってください。

紺野 伊久子 先生
紺野 伊久子 先生

今回、話を聞いた人

八潮かえで保育園
園長:紺野 伊久子 先生

所在地 :埼玉県八潮市大瀬2-1-8
TEL:048-994-3007
http://kaede.sukoyaka-fu.or.jp
※この情報は2016(平成28)年3月時点のものです。