特別インタビュー

体力向上の取り組みと健康教育の両輪でたくましい子どもたちを育てる「川口市立並木小学校」

JR「西川口」駅より徒歩10分ほどの落ち着いた住宅地に囲まれている「川口市立並木小学校」。昭和29(1954)年の開校より67年目を迎える学校で、地域とのつながりも感じられるあたたかい校風が魅力です。 今回は「川口市立並木小学校」の佐野校長先生を訪ね、学校の概要や特色ある取り組み、地域とのつながりについてもお話を伺いました。

川口市立並木小学校
川口市立並木小学校

昭和29(1954)年開校の地域に根ざした学校

――学校の沿革・概要についてお教えいただけますでしょうか。

佐野校長先生:川口市立並木小学校」は昭和29(1954)年に開校して、今年で67年目を迎えます。「知・徳・体の調和のとれた心豊かなたくましい児童の育成」を教育目標に掲げ、勉強はもちろん体力向上を目的とした取り組みや、昨今は健康教育という観点からも様々な取り組みを進めています。
学校規模としては児童数が600名強で、各学年3〜4クラスで運営しています。私が校長として着任したのは平成31(2019)年4月のことですが、ここ4〜5年はほぼ同じくらいの数で推移していると思います。

40年以上にわたって体力向上に向けた取り組みを実践

――特色のある取り組みや力を入れていることは?

佐野校長先生:ホームページの沿革をご覧いただくとよくお分かりになるかと思いますが、本校では昭和50年代から教育委員会の委嘱を受けて体育の研究をさせていただく機会がありまして、以来30年以上にわたってどもたちの体力向上に向けた取り組みを行なっています。
またこの10年くらいは体育や運動だけではなく、子どもたちの生活面にも視点を置いた健康教育にも力を入れていて、その取り組みが評価され、平成28年度に「早寝早起き朝ごはん」運動の推進に関わる取り組みとして文部科学大臣表彰をいただきました。
また令和元年度には学校給食優良学校としても文部科学大臣表彰をいただき、学校給食を通した食育にも力を入れています。

2019年度全国学校体育研究大会の様子
2019年度全国学校体育研究大会の様子

身体を動かすことの楽しさを自然と身につけ体力向上を図る

――それぞれ具体的な取り組みの内容についてお教えいただけますでしょうか。

佐野校長先生:まず体力向上の取り組みとしては、1日のスケジュールの中に運動の時間や遊びの時間を意識的に組み込んでいます。例えば「朝の運動」では、授業の始まる前に運動の時間を設けています。今年度はコロナの影響で内容を一部見直しましたが、12月は5分間走をしました。
また休み時間になると先生たちも一緒に外に出て子どもたちと遊ぶのが本校の日常になっていますが、みんなと一緒になってたくさん遊ぶなかで、身体を動かすことの楽しさというのを自然と身につけていきます。

2019年度の業間運動の様子
2019年度の業間運動の様子

次に健康教育については、各ご家庭の協力をいただきながら「早寝・早起き・朝ごはん・朝うんち」というテーマで取り組みを進めています。規則正しい生活とバランスのとれた食事は免疫力を高めることにもつながりますし、コロナ禍の感染症対策にも生かされていると思います。

給食を通して食についての知識と理解を深める食育の取り組み

――板前さんとコラボした「板前給食」とは?

佐野校長先生:今年度で7回目の開催となりましたが、学校の近くにある割烹「山乃」さんのご協力をいただいて、プロの板前さんに考案してもらった給食をいただく機会を設けています。
子どもたちにとっても「いつもの給食と違う料理が食べられる!」と楽しみのひとつになっていますが、給食を通して和食についての知識や理解を深め食育につなげようというものです。
今年度は新型コロナウイルスの影響で廃棄される予定だった鹿児島県産ぶりを無償で提供いただき、食品ロスについて考えるとともに旬のぶりを使った料理をいただきました。
その名も「鹿児島県産ぶり 紅葉の初雪見立て」。ぶりを山に見立て、そこに牛乳と大根おろしで作った真っ白なソースをかけて初雪が降った様子を表しています。そしてその上に紅葉麩で秋を表現するといった季節感あふれる料理でした。

板前給食「鹿児島県産ぶり 紅葉の初雪見立て」
板前給食「鹿児島県産ぶり 紅葉の初雪見立て」

和食はただ食すだけではなくて、見た目の美しさもそうですし、名前のつけ方ひとつを取ってみても、色々な楽しみ方やもてなし方があると改めて感じました。豊かな食が豊かな生活に結びついているということを学ぶ貴重なひとときでした。

高学年で教科担当制を導入し、複数の先生で子どもたちを見守る

――教科教育において力を入れていることは?

佐野校長先生:普段の授業で特色がある点と言えば、高学年で教科担当制を敷いていることですね。市内の小学校でも一部で導入を進めているようですが、本校独自の取り組みとして行なっています。
通常、小学校では担任の先生がすべての教科を担当するのですが、教科担当制にすることによって、中学校のようにひとりの先生が特定の科目を担当し、複数のクラスで授業をすることが可能になります。
そうすることによって複数の先生で子どもたち一人ひとりを見守れるようになりますし、先生たちにとっても負担の軽減につながったり、いろいろな効果として表れていたりしていると思います。

教室の様子
教室の様子

地域とのつながりを強く感じられるのが並木小学校の魅力

――並木小学校の魅力とはどのようなところでしょうか?

佐野校長先生:町会をはじめ地域のネットワークがしっかりしているのを強く感じます。歴代のPTA会長さんや町会のメンバーの方とも深くつながっていて、地域に根ざした学校の良さというのを感じます。
昨年の台風19号のときも、学校を避難所として開放するにあたり、近隣の他の学校では教員が集まって避難所のお世話をしたといった話も聞いているのですが、本校は私が鍵を開けて施設利用の許可をしただけで、あとはすべて地域の方が動いて対応してくださいました。
そのつながりの強さがおそらく普段の学校運営への理解とか運動会をやるときも率先して協力してくれる、そういうところにつながっているのだなということを感じますね。

2019年度運動会での児童の様子
2019年度運動会での児童の様子

今年度は特に、新型コロナウイルスの影響で学校運営においてもさまざまな課題があったのですが、そういう時に「先生たち、大変ですね」とか「よくやってくれていますね」といった声をかけてくださる地域の方がいて、そういった気持ちが現場にとっての支えになっているのでありがたいですね。
手前味噌ではありますけど、本校の先生たちはチームワークが良く、子ども第一で考えて頑張っているところが素晴らしく、当然と言われてしまえばそれまでなのかも知れないですけど、これまで経験したことが無いような大変な状況の中でもよくやってくれていると思います。

学校周辺の環境
学校周辺の環境

「昨年までと同様に通常の教育活動を進めていきたい」という願い

――2021年度以降のことについてお話いただけることがございましたらお聞かせください。

佐野校長先生:いまお伝えできるのは、「これまでと同様に通常の教育活動を進めていきたい」ということです。
普段の学校生活や授業ももちろんですが、本校には発足より30年以上続く「ブラスバンド」や「白百合合唱団」など特色ある活動があり、一日も早く元通りの活動が再開できることを願っています。
「ブラスバンド」の活動は現在も休止状態で、パートごとに分かれて距離を取りながら練習してはいるものの、全体で音を合わせる機会も無ければコンクールやイベントなどで発表する場も無いので、子どもたちにとっては何を目標に練習すれば良いのか分かりづらい厳しい状態が続いていますね。

2019年度のブラスバンドの様子
2019年度のブラスバンドの様子

コンクールでの実績が並ぶ
コンクールでの実績が並ぶ

また中学校への進学に向けて例年は部活動を見学させていただいたり、授業を見に行ったりということもしていたのですが、今年度は今のところ実施の見通しが立っていない状況で、6年生にとっては少なからず不安を感じることも多いと思います。
他にも昨年末に宣言した「コンサートをやります!」というのも実現できなかったので来年こそはやりたいなと。本校にはこれまでコンサートや音楽会と呼ばれる行事が無かったので、開催を計画したばかりだったんです。
あとは「コロナが収束した」という実感をみんなで持てたときには、町会やおやじの会、学校応援団も一緒になってみんなそろって大きなイベントをやろうと約束しています。
今年度はお祭りもなければいろんな行事もできなかったので、それを全部まとめて、みんなでできるような大々的なイベントにしましょうと。すでに町会長さんたちにも声をかけています。

商店街の様子
商店街の様子

もう一点、学習環境に関しては川口市のGIGAスクール構想が前倒しになりまして、2021年3月末までに全学年で一人一台タブレットが配布されるようになります。すでに工事は進めておりまして、教室にタブレットの充電保管庫が設置されて、いつでも教室で使えるような環境になります。
詳しくは「学校だより」などを通じて紹介していく予定なので、本校のホームページも合わせてご覧ください。

 

川口市立並木小学校

佐野校長先生
所在地 :埼玉県川口市並木1-24-1
電話番号:048-252-5407
URL:http://namikisho.jp/
※この情報は2021(令和3)年1月時点のものです。