唯一無二の商品と、心づくしの楽しい空間で来店客を笑顔にする「みどりスーパー」
東武アーバンパークライン「南桜井」駅から徒歩7分の場所に、昭和レトロな雰囲気をただよわせるスーパーがある。個性豊かなお総菜やアットホームな雰囲気が人気の「みどりスーパー」だ。
今回は「みどりスーパー」で総菜や弁当の製造を担当する河内みどりさんに、ユニークなお店を支える工夫やこだわり、人気商品の開発経緯、地域とのつながりなどについて伺った。

オリジナリティを出せる個店の強みを活かし、全国から人が訪れる人気店に
――まずは、「みどりスーパー」の歴史をお聞かせください。
河内さん:1972(昭和47)年に創業した家族経営のスーパーです。最初のうちは順調でしたが、バブル崩壊を境にお客様が大型店に流れるようになって売り上げが落ち込みました。2013(平成25)年には春日部市内にも大型ショッピングモールが開業し、危機感から総菜部を立ち上げました。共働き世帯や一人暮らしのお年寄りなど料理をしない人が増え、これからは総菜の需要が高まるのではないかと考えたんです。同時に独自性を出さなければ生き残れないと考え、常に攻めの姿勢でやってきました。

――次に、「みどりスーパー」ならではの特色や運営の工夫についてお聞かせください。
河内さん:値段や品ぞろえでは大手スーパーには敵わないので、唯一無二の商品づくりを目指しています。見た目やおいしさはもちろん、ネーミングにも力を入れています。チェーン展開をしているスーパーだと、あまり攻めた名前にはできないでしょうから、そこは個店の強みを活かしています。クスっと笑えるような名前を心がけています。
河内さん:また、お客様に「楽しかった」と笑顔でお帰りいただけるよう、面白い店内装飾と、気持ちの良い接客を心がけています。
例えば、各売り場に飾られている書道の作品。あれは地域の小学校や書道教室、高齢介護施設などにお願いして、子どもたちやお年寄りに書いてもらったものなんです。埼玉県は児童書道が有名で、そんな地域柄もあってご依頼をしてみました。

河内さん:精肉コーナーの「とり肉です」などの書は、以前SNSで流行った「ひき肉です」というフレーズを用いて、私が書きました。魚売り場の「刺身最高」というフレーズは、映画『翔んで埼玉』の続編となる『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』に登場するキーワードです。映画はとても面白かったので、是非第三弾もやってほしいですね。

河内さん:そんな映画のおかげもあり、全国からお客様に来ていただけるようになりました。最近は観光バスのコースに組み込まれているほか、デイサービスの送迎カーも来ます。お年寄りは昔ながらのスーパーにホッとするでしょうし、大型ショッピングモールと違ってあっという間に見て回れますから、ちょうどいいのでしょう。みなさん店内で写真を撮ったりして、楽しんでくださっています。スーパーというよりテーマパークみたいな感覚みたいですかね。以前新潟から来られたお客様は「昨日は東京ディズニーランドに行って、今日はここに来た」とおっしゃっていました(笑)

河内さん:社長は鮮魚担当として37年の経験がある魚の目利き。生鮮食品の中でも、特に魚には自信があります。毎日市場に出向き、鮮度の高い魚を仕入れてきます。切り身などとして売る他、刺身で食べられるような新鮮な魚を使って、南蛮漬けや唐揚げなどのオリジナル総菜を作っています。ほぼ毎週やっているうなぎの蒲焼きセールも好評です。
埼玉県は海なし県。お客様にいろんな魚を知ってもらいたくて、珍しい魚を使った総菜の試食を大量に出すこともあります。こうしたことができるのも、経験豊富な目利きがいる個店の強みでしょう。


地域愛と遊び心あふれるオンリーワン商品がいっぱい
――2019(平成31)年公開の映画『翔んで埼玉』のセリフを受けて企画された、「そこらへんの草天ぷら」「草天丼」について、発案の経緯や反響を教えてください。
河内さん:「そこらへんの草天ぷら」は、2019(平成31)年のエイプリルフールに発売しました。前日に常連さんがアシタバを持ってきてくれたのを見て、映画『翔んで埼玉』の「埼玉県人には、そこらへんの草でも食わせておけ!」というセリフが頭に浮かんだんです。当時は企業がエイプリルフールに遊び心ある発信をすることが流行していて、私も何かやりたくて。「このアシタバを“そこらへんの草”として天ぷらにしたら面白いかも」という軽い気持ちで出してみたら、SNSで広まり最初のヒット商品になりました。
2021(令和3)年には季節野菜の天ぷらをのせたお弁当「そこらへんの草天丼」を、埼玉にかけて310円(税抜)で販売すると大きな反響があり、瞬く間に人気商品に。そのまま当店不動の看板商品になりました。まさかここまで注目されるとは思っていませんでしたが、ちょうどコロナ禍でみんなが元気を求めていた時期でもあり、面白がってもらえたのだと思います。

――地域性を活かした独自商品について、人気や反響など教えてください。
河内さん:一番人気は、先ほどの「そこらへんの草天丼」です。ほかにもコンスタントに売れているのが「みたらし団子パン」。コッペパンにみたらし団子とクリームを挟んだ、意外な組み合わせが好評です。
見た目のインパクトで注目されているのは、2年ほど前に発売した「地下神殿クリームパン」。中川・綾瀬川流域の治水施設「首都圏外郭放水路」、通称“地下神殿”をモチーフにしています。巨大な柱が立ち並ぶ空間を、コッペパンに挟んだクリームと柱に見立てたウエハース、天井部分にはたい焼き型のチョコモナカを載せて表現。海外のSNSでも「クレイジースナック」と話題になりました。

河内さん:常連さんは話題性だけでなく、おやつとして「みたらし団子パン」を買われるなど、味を気に入って継続してくださっています。ほかの商品も、おいしいからこそ支持されているのだと思います。また、近隣に住んでいた俳優・高橋文哉さんが高校生の頃、友人と来店して「伝説のキングカツ」を買い、近くの公園で食べていたとテレビで紹介してくれたこともありました。

地域の小中学校と連携して、子どもたちと一緒に商品を開発
――地元密着ならではの取り組みなどあれば、教えてください。
河内さん:常連のお客様がご高齢になってきたので、荷物が重そうな場合は時間が許す限りお送りがてらお宅まで商品を運んでいます。来ていただけるだけでうれしいので。品ぞろえについても常連さんの好みを考えて、新商品ばかりでなく昔懐かしいお菓子なども切らさないよう心がけています。

――地域の施設やイベントなどとの連携についてはいかがでしょうか。
河内さん:地域の小中学校と一緒に商品開発や販売も行っています。例えば当店の駐輪場を使ったイベント「そこらへんのクッサニア」。名前の通り「キッザニア」にかけていて(笑)、特別支援学級の子どもたちが考えたメニューを当店が商品化し、コラボ弁当や総菜パンとして一緒に販売します。
学校生活で苦手なことがある子どもたちも、この日ばかりは元気いっぱい。「いらっしゃいませ!」と大きな声で呼び込みする姿に毎回胸を打たれます。商売とは本来こうあるべきだと、逆に教えられている気がします。

河内さん:きっかけは、夏休みの宿題で「子どもたちが野菜を使ったメニューを考えるので、店に展示してほしい」というご相談を受けたことでした。ただ展示するだけでは面白くないと思い、“そこらへんの草”メニューはどうかと提案したところ、先生も賛同してくださって。当店で実際に販売することになったんです。
授業外の取り組みは日曜など学校の休みに行う必要があり、先生方の強い思いがなければ続けられません。そんな熱意に応えたい気持ちから、私たちも協力しています。

河内さん:多くの子どもにとって、野菜は少しハードルが高いもの。でも「草」と呼ぶだけで一気に楽しくなり、食べられることもあるんです。それが野菜への興味や親しみにつながればうれしいですね。
今週の日曜日には、「春日部市農業祭」で春日部市立大沼中学校の特別支援学級の子どもたちと一緒に、米粉ドーナツや総菜パンを販売します。さらに12月7日開催の東武鉄道さんの一大イベント「2025東武ファンフェスタ」にもご招待いただき、大沼中の子たちとコラボメニューや「そこらへんの草天丼」を提供する予定です。

“地下神殿”で豪雨も安心!子育て環境にも恵まれた南桜井・春日部エリア
――南桜井・春日部エリアの魅力やおすすめスポットについて教えてください。
河内さん:「埼玉には何もない」と言われがちですが、それこそが良さだと思うんです。海がないから津波の心配はなく、高い山もないので雲がたまりにくく、山火事も少ない。川はありますが、“地下神殿”が守ってくれるおかげで洪水の心配もほとんどありません。春日部市中心部では大雨時に冠水することもありますが、この辺りは影響が少ないですね。人口が過密ではないので渋滞もなく、とにかく平和なところです。
何より、子育て環境が最高です。お話したように、この辺の小中学校には子どものことを本気で考えてくださる先生がたくさんいるからです。それに、支所庁舎に隣接した「レジデンシャルパークSHOWA(庄和総合公園)」をはじめ、「南桜井」駅から徒歩約15分の「東中野ふれあい公園」や県営の「まつぶし緑の丘公園」など、広くてきれいな公園がいくつもあります。家族連れでピクニックやお花見など存分に楽しめますよ。

河内さん:さらに言えば、この辺りはスーパーやドラッグストアの激戦区。店の数が多く、競争によって価格などサービスが良いところが多いです。切り盛りしている私たち店の人間は正直大変ですが、住む人にとっては、かなり良い買い物環境ではないかと思います。
――最後に、これから南桜井エリアでの生活を考える方に向けてメッセージをお願いします。
河内さん:私も若いときは東京に憧れて都内の大学に通いましたが、年を重ねて春日部が一番だと思うようになりました。この辺りは閑静で住む所としておすすめできるところです。

みどりスーパー
総菜部 部長 河内みどりさん
所在地:埼玉県春日部市米島1133-10
電話番号:048-746-1100
営業時間:10:00~19:00
定休日:日曜日 ※翌月曜日が祝日の場合は日・月連休
URL:https://ameblo.jp/super-midori/
https://www.instagram.com/supermidori/
※この情報は2025(令和7)年11月時点のものです。