風情あふれる「大宮盆栽村」を中心に、盆栽町周辺のおすすめスポットを紹介します!

JR「大宮」駅から2駅。東武アーバンパークライン「大宮公園」駅の北側一帯に広がるのが、さいたま市北区盆栽町にある「大宮盆栽村」です。閑静な住宅街に盆栽園や盆栽美術館などが立ち、風情ある街並みが形成されており、国内外から盆栽愛好家が訪れています。そんなエリアを散策し、その魅力をお伝えします!

「大宮公園」近くに広がる大宮盆栽村
「大宮公園」近くに広がる大宮盆栽村

大宮盆栽村の歴史と成り立ち

風致地区に指定
された街並み

盆栽町周辺の様子
盆栽町周辺の様子

「大宮盆栽村」の誕生は1925(大正14)年。関東大震災により被災した東京の盆栽業者が、盆栽づくりに適した広い土地と土壌、清浄な水や空気を求めて集団移住し、最盛期には30軒以上もの盆栽園があったといいます。やがて伝統産業として盆栽が地域に根付き、1942(昭和17)年に「盆栽町」が正式な町名になりました。


今もエリア内には5つの盆栽園があり、周辺には「けやき通り」「かえで通り」など、植えられた樹木の名前が付いた「盆栽四季の道」もあります。2010(平成22)年には、閑静な住宅街の中に「さいたま市立大宮盆栽美術館」が造られ、観光スポットとして親しまれています。こうした歴史を背景に同エリアは風致地区に指定され、都市景観100選にも選ばれているのです。

周辺に盆栽関連
施設が点在!

観光客向けの案内図
観光客向けの案内図

地域全体で盆栽文化をPR♪

通り沿いの「盆栽美術館」への案内板
通り沿いの「盆栽美術館」への案内板


風情ある景観を維持する街

盆栽村を歩いてみると、「盆栽四季の道」と呼ばれる道が印象的です。それぞれ「けやき通り」「かえで通り」など、両脇に植えられた樹木の名前が付いている通りで、樹木の間隔や広すぎず狭すぎない道幅などが風情を生んでいて、独特の風情が感じられます。

点在する盆栽園に限らず、近隣住宅の軒先にも手入れの行き届いた鉢植えやきれいに剪定された植栽が多く目に留まり、穏やかで心地よい街並みが広がっています。また、街灯には「盆栽村」フラッグや看板、歩道にも盆栽をモチーフとしたイラストなどが設置され、街を挙げて盆栽文化を守り、アピールしていることが感じられます。

四季折々の植樹が
彩る街♪

石畳が美しい「かえで通り」
石畳が美しい「かえで通り」

“盆栽のまち”をPR

通りに掲げられたフラッグ
通りに掲げられたフラッグ


大宮盆栽村の名所巡り

名所としてまず押さえておきたいのは、「さいたま市立大宮盆栽美術館」です。“世界初の公立の盆栽美術館”で、座敷飾りなどのコレクションギャラリーと、約60点の盆栽がある庭園の2エリアから成り、盆栽の名品はもちろん、盆栽用の植木鉢や鑑賞石、盆栽が描かれた絵画作品などを展示。盆栽庭園では推定樹齢500年、1000年といった盆栽も観賞できます。

そして、「四季の道」の散策など観光に訪れる人々のくつろぎの場となっているのが、「大宮盆栽村」の中央に位置する「盆栽四季の家」。茶道、華道、句会などの文化活動の場として利用できる和室も備わっています。

世界に誇る名品や
盆栽文化がずらり!

「さいたま市立大宮盆栽美術館」
「さいたま市立大宮盆栽美術館」

周辺散策の合間の
くつろぎスポット♪

「盆栽四季の家」
「盆栽四季の家」


次に、それぞれの個性が光る5つの盆栽園をご紹介しましょう。線路沿いにある「芙蓉園(ふようえん)」は、雑木盆栽を中心に、花が咲く盆栽、 実がつく盆栽を数多く並べています。「九霞園(きゅうかえん)」は政財界や宮家所有の盆栽を数多く管理。外国の要人も来園し、盆栽を世界に広める先駆的な役割を果たしてきた名園です。希少な盆栽や多肉植物などを展示しています。「かえで通り」沿いにある「藤樹園(とうじゅえん)」は50センチメートル以下の中品盆栽に力を入れていて、国風盆栽展で多数入選しています。盆栽教室では伝統的な盆栽を楽しく学べます。

茅葺屋根の門構えが特徴の「清香園(せいこうえん)」は、江戸時代に創業した歴史ある盆栽園。伝統の技も大事にしつつ、草花を寄せ植えした「彩花盆栽」という新しいスタイルを提案。 昔ながらの盆栽と両方楽しめます。「蔓青園(まんせいえん)」は、広々とした園内に白い幹が大きくうねった樹齢2千年といわれる真柏(しんぱく)の古木など、大小約500の盆栽が並んでいます。

500種類以上の盆栽を展示

「九霞園(きゅうかえん)」
「九霞園(きゅうかえん)」

「彩花盆栽」は女性に人気

「清香園(せいこうえん)」
「清香園(せいこうえん)」


盆栽に親しむイベントが盛りだくさん

盆栽にまつわるイベントもいろいろあります。毎年ゴールデンウィークの5月3日~5日に開かれる「大盆栽まつり」は今年で40回目。「四季の道」沿いや「盆栽四季の家」、各盆栽園などを会場に、市民盆栽展、盆栽・盆器の即売会などが開催され、国内外の愛好家から家族連れまで多くの人でにぎわいます。

秋には、盆栽村を大切に思う住民やお店がつくりあげる小さなイベント「秋の盆栽村めぐり」が行われます。気軽に挑戦できる盆栽作り体験や、盆栽村を紹介するパネル、盆栽についての本が読めるスペースなどを設置。地元の学生やボランティアも参加します。

海外からも盆栽ファン
が訪れる一大イベント

「大盆栽まつり」/©️さいたま観光国際協会
「大盆栽まつり」/©️さいたま観光国際協会

「大盆栽まつり」のイベントの様子/©️さいたま観光国際協会
「大盆栽まつり」のイベントの様子/©️さいたま観光国際協会


その他、盆栽村散策のおすすめスポット

周辺には和雑貨店やアンティークショップ、ギャラリーなどもあります。「大宮公園」駅から徒歩1分の「てしごと屋」は、江戸時代から続く伝統工芸であるつまみ細工の制作と販売をする雑貨店。七五三や成人式の髪飾りが人気です。つまみ細工の教室も開かれています。「てしごと屋」の近くにある「紗瑠布(さるふ)」はアンティーク家具の店で、レトロな椅子やテーブル、美しいランプシェードなどを取り扱っています。

「さいたま市漫画会館」は、風刺画の評価を高め、「日本の近代漫画の祖」と言われる北沢楽天の偉業を記念し、同氏の旧宅跡に建てられたもの。漫画文化の普及を目指す全国でも珍しい公立の漫画専門館です。ここから徒歩2分ほどの場所には、和風庭園内にある落ち着いた雰囲気の「ギャラリーエルド」があり、50点ほどの油彩画を常設展示しています。

掘り出し物に
出合えるかも♪

アンティークショップ「紗瑠布(さるふ)」
アンティークショップ「紗瑠布(さるふ)」

入館無料で楽しめます

「さいたま市漫画会館」
「さいたま市漫画会館」


個性豊かな盆栽町周辺の人気グルメ

地元ならではのグルメスポットも充実しています。「大宮盆栽美術館」のすぐそばにある「盆栽レストラン大宮」では、「盆栽パンセット」「盆カレーセット」など盆栽村にちなんだメニューを提供。併設された「盆栽ショップ大宮」では苔玉教室、盆栽教室、英会話教室も開催しています。

盆栽町で65年以上お店を構えている「肉の平金」は、テレビ取材も多い人気店。精肉だけでなくボリュームたっぷりの弁当やメンチカツなどの惣菜も充実しています。

「大宮公園」駅からすぐの「醗酵Cafe アルキ」は、グルテンフリーの発酵食品にこだわったカフェ。自家製味噌や発芽醗酵玄米などを使った料理を提供しています。盆栽踏切の近くにある「手打そば きくち」は、遠方から訪れるファンがいるほどの蕎麦の名店。伝統的な日本家屋の座敷で、くつろぎのひとときを過ごせます。

「盆栽コロッケ」が名物♪

「肉の平金」
「肉の平金」

日本家屋で味わう
美味しい蕎麦

「手打そば きくち」
「手打そば きくち」


大宮公園」も近く、自然の美しさを満喫できるエリア

「大宮公園」駅から10分歩けば、「日本さくら名所100選」や「日本の都市公園100選」に選定されている県営の「大宮公園」があるので、休日もリフレッシュできそうです。無料の小動物園や、100~200円程度で楽しめる幼児向けの乗り物などがある児童遊園地、約1,000本の桜が植えられた広場に、樹齢100年を超えるものもある赤松林など、魅力がいっぱい!大人も子どもも満足できるでしょう。

盆栽町で暮らすことになったら、季節ごとに表情を変える盆栽園に通ったり、盆栽教室や各種イベントに参加してみたり、緑あふれる大宮公園に出向いたり、ぜひ魅力あふれる周辺スポットを散策してみてくださいね。

駅舎は2016(平成28)年にリニューアル!

「大宮公園」駅
「大宮公園」駅

小動物園や遊園地
なども満喫♪

「大宮公園」
「大宮公園」


発見ポイント!

  • (1)水や土が豊かな環境から、大正時代に生まれた「大宮盆栽村」
  • (2)風光明媚な街並みは、「都市景観100選」にも選出!
  • (3)盆栽文化に親しむスポットやイベント、地域の名店などを巡ると楽しい♪

風情あふれる「大宮盆栽村」を中心に、盆栽町周辺のおすすめスポットを紹介します!
所在地:埼玉県さいたま市北区 

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