県内初「保育料完全無償化」を実施した子育て支援や、移住支援が充実する「深谷市」
渋沢栄一生誕地として注目される深谷市
埼玉県北西部、東京都心から70km圏に位置する深谷市は、2006(平成18)年に旧深谷市、岡部町、川本町、花園町が合併して誕生した。
深谷市は新一万円札の肖像になった渋沢栄一の生誕地だ。渋沢栄一は日本煉瓦製造会社を設立し、日本で最初の機械式レンガ工場を深谷に建設したことから、レンガの街として知られるようになる。ここで生産されたレンガは「東京」駅でも使用されていたため、現在の「深谷」駅はレンガ張りの「東京」駅に模したデザインとされている。農業も盛んで、深谷ネギは特産品として有名だ。
アクセス良好な深谷市の交通網
深谷市内には関越自動車道をはじめ国道17号、国道17号深谷バイパス、国道17号上武国道、国道140号、国道140号バイパス、国道254号など幹線道路が充実し、道路交通の要衝となっている。
また、JR高崎線、秩父鉄道線と鉄道は2路線が利用できる。都内へのアクセスも「深谷」駅から「東京」駅は高崎線で直通となっているため、1本で通える点はうれしい。
また、市内の移動手段としては、循環するコミュニティバスがあり、JR「深谷」駅を中心に定時定路線型のバスと、デマンド(事前予約型)バス『くるリン』が運行している。市外だけでなく市内の交通アクセス性も良好な環境が築かれている。
住み続けたい街、深谷市
深谷市が2023(令和5)年に発表した『深谷市民まちづくりアンケート 調査報告書』では「これからもずっと深谷市に住み続けたいと思いますか」という質問に「ずっと住み続けたい」または「当分の間は住みたい」と回答した人の合計は93.5%であり、9割を超えている。
また、深谷市の市政に対する満足度を尋ねた質問では「子育て支援の充実」「保育サービスの充実」「良好な市街地・住環境形成の推進」「郷土の歴史・文化の継承と活用」「スポーツ・レクリエーションの推進」「自然・生活環境の保全」「自然・文化を生かした景観形成」に対する満足度が高かった。
この結果から、深谷市民は子育ての充実、住環境、歴史や自然に満足しており、高い定住意向に繋がっていることが伺える。
子育て支援・移住支援が充実した深谷市
深谷市では他市からの移住者支援にも力を入れている。引越費用を助成するほか、新幹線で通勤する人への通勤費の一部助成、テレワークスペースの物品購入費助成、新生活応援地域通貨のプレゼントなどきめ細かな支援が用意されている。
また、2023(令和5)年度には埼玉県内初となる保育料完全無償化を実施するなど、子育て支援が充実していることも深谷市の特長だ。こども医療費助成は18歳まで対象とされ、0歳児子育て支援金として地域通貨を支給するなど経済的支援も充実する。多子家庭支援も積極的に行い、第3子以降の保育施設副食費無料化、私立幼稚園のプレクラス(未就園児)の保育料補助など様々な補助がある。
また、現在「深谷市幼稚園・こども館複合施設」を2026(令和8)年4月のオープンを目指して整備中だ。ここには「深谷市立深谷幼稚園」など4つの市立幼稚園を統合した幼稚園のほか、「赤ちゃんコート」や「プレイホール」などを設置したこども館が併設され、幅広い年齢の子どもが利用できる場所になる。
「田園交流都市ふかや」を目指す都市づくり
『深谷市都市マスタープラン』では「誇りと愛着をもてる 田園交流都市 ふかや ~都市・田園・文化が織りなすまちづくり~」を都市づくりのテーマとして、バランスの良い街づくり、交通アクセスの維持・充実、自然の保全などを推進している。
2022(令和4)年には「ふかや花園プレミアム・アウトレット」、その道を隔てたすぐ傍には「深谷テラスパーク」がオープンするなど、新たな施設も続々と誕生している深谷市。この先の開発にも、注目が集まる。