熊谷市・深谷市の暮らしを知るKUMAGAYA FUKAYA AREA GUIDE

スペシャルインタビュー

デジタル技術を活用してより良いまちづくりを目指す熊谷市

「東京」駅から新幹線利用で約40分。埼玉県北部に位置する熊谷市は、人口およそ19万1,000人を有する県北地域最大の都市として知られています。毎年7月に行われる「熊谷うちわ祭」や8月の花火大会をはじめ、「日本さくら名所100選」にも選ばれた荒川河川敷の熊谷桜堤など、魅力的なイベントや名所に市内外から多くの人が訪れます。「熊谷」駅周辺の商業エリアと周辺地域に広がる自然豊かな風景など、さまざまな表情を併せ持つのも魅力で、住んでみてはじめて気づく奥深さがありそうです。

今回は熊谷市役所を訪ね、熊谷市の概要や移住・定住に関する施策、昨今注目を集めている「熊谷スマートシティ」についてもお話を伺いました。

今井さん(左)、磯野さん(右)
今井さん(左)、磯野さん(右)

人口およそ19万1,000人を有する県北地域最大の熊谷市

――はじめに熊谷市の概要について教えてください。

磯野さん:熊谷市は埼玉県北部にあり、人口およそ19万1,000人、9万455世帯(2024(令和6)年8月時点)を有する県北地域最大の都市です。江戸時代には中山道の宿場町として栄え、交通の要衝として発展してきました。市内には国道17号をはじめ充実した道路網が整備されているほか、新幹線が停車する「熊谷」駅を中心にJR線、秩父鉄道秩父本線で各方面にアクセスすることが可能です。

市内には歴史や文化もさまざまなところに根付いていて、国宝に指定された「歓喜院聖天堂(かんぎいんしょうでんどう)」や毎年7月20〜22日にかけて3日間行われる「熊谷うちわ祭」は広く知られているかと思います。今年は5年ぶりにコロナ禍前の規模に戻って開催でき、より多くの人でにぎわいました。

「歓喜院聖天堂(かんぎいんしょうでんどう)」
「歓喜院聖天堂(かんぎいんしょうでんどう)」

磯野さん:また近年はスポーツも盛んで、2019(令和元)年にラグビーワールドカップ™が熊谷で開催されたのをご存知の方も多いかと思います。現在4つのスポーツチームが熊谷を本拠地としていまして、ラグビーの「埼玉パナソニックワイルドナイツ」、女子ラグビーの「アルカス熊谷」、女子サッカーの「ちふれASエルフェン埼玉」、野球の「埼玉武蔵ヒートベアーズ」がそれぞれ活動しています。

熊谷市としてはそれぞれのスポーツチームと連携をして、市内の小中学校で授業をしていただいたり、ふるさと納税でサイン入りのレプリカジャージを返礼品にするなど、スポーツをより身近に感じていただくための取組を行っています。

市役所内にはラグビーポスター展の展示。ラグビーの街ならでは
市役所内にはラグビーポスター展の展示。ラグビーの街ならでは

人口減少と少子高齢化を課題として取り組む持続可能なまちづくり

――熊谷市においても移住・定住促進の取組が行われているそうですが?

今井さん:これは日本が抱える構造的な課題だと思いますが、本市においても人口減少と少子高齢化が大きな課題のひとつだと捉えています。熊谷市では、人口の将来展望を示す「第2期熊谷市人口ビジョン」を2020(令和2)年3月に策定していて、今後減少の一途を辿るという推計があります。

今井さん
今井さん

今井さん:そうした中でとりわけ20代から30代の若年層の転出を抑制して、なおかつUターンを含む転入を促進することが必要だと考えています。詳しくは市のHPにある「第2期熊谷市人口ビジョン・総合戦略」でもご覧いただけますが、いかに人口減少を抑えて安定化を図るかというところに注力しています。

ポイントは3つありまして、「就業機会を増やす」「転入・定住促進」「結婚・出産・子育て支援」この3つを基本目標として取り組んでいるところです。具体的な施策はHP(https://www.city.kumagaya.lg.jp/kurasu/download.html)に一覧がありますが、各課でさまざまな取組を行っているため、本日は企画課で担当している「新幹線通勤補助事業」と「結婚新生活支援事業」について簡単にご紹介いたします。

20〜30代の若年層や子育て世代にもフィットする熊谷市の生活環境

――どのような方を対象にした事業か詳しくお聞かせいただけますでしょうか?

今井さん:「新幹線通勤補助事業」については、新幹線の停車駅を有する熊谷市の利点を生かした2種類の取組があります。一つ目は「おいでよ熊谷!新幹線らく賃通勤事業」です。こちらは、40歳未満で2022(令和4)年4月1日以降に市内に転入および住宅を取得し、新幹線を使って通勤する方を対象に、最長2年間、月額最大2万円まで補助しています。二つ目は「大好き熊谷!新幹線らく賃通勤事業」です。こちらは、2021(令和3)年4月1日以降に就職し、新幹線を使って通勤する30歳未満の方を対象に、最長7年間、月額最大2万円まで補助しています。前者は熊谷市への移住をお考えの方に、後者は新卒や第二新卒の方等に注目していただけると思います。

新幹線が停車する「熊谷」駅
新幹線が停車する「熊谷」駅

今井さん:また「結婚新生活支援事業」については、2024(令和6)年1月1日以降に入籍した、夫婦ともに40歳未満の新婚世帯(※所得制限あり)を対象に、住居費や引越費の一部、上限30万円まで補助しています。

なお、補助金の対象要件等は2024(令和6)年度時点のもので、年度ごとに変更する場合がありますので、詳しくは市のHPをご覧いただくか、企画課までお問い合わせください。

熊谷市は東京都市圏と比べると自然が豊かでのびのびと暮らせる環境が整っていますし、通勤通学時の公共交通機関の利便性も併せ持っています。これは20〜30代の若年層や子育て世代にもフィットすると考えておりますし、熊谷市が現在推進しているデジタル技術を活用した取組によって、より多くの人にとって暮らしやすい街になっていくのではないかと感じています。

「熊谷スマートシティ」の取組

――今後注目すべきデジタル技術を活用した取組についても教えていただけますでしょうか?

今井さん:本市では2023(令和5)年に「デジタルと人の力で社会を前に進めていく」として、スマートシティ宣言を行い、皆様の生活が便利になったり、快適になったりするようにデータの利活用を進めることに重点を置いた取組を進めています。具体的には熊谷市公式LINEの「クマぶら」を入口として、さまざまなサービスをご利用いただけるようになりました。

熊谷市公式LINE「クマぶら」
熊谷市公式LINE「クマぶら」

今井さん:例えば、地域電子マネーの「クマPAY」やデジタルコミュニティポイント「クマポ」、コミュニティバス「ゆうゆうバス」のスマホ回数券などが利用できるようになりました。他にも熊谷市は暑いまちとして知られていますが、暑い場所を可視化した「まちなかヒートエリアマップ」や比較的涼しい道を提示し、適切な休憩を取れるように「クールシェアスポットマップ」を表示する機能も付け、すべて「クマぶら」から見られるようになっています。

クマぶらコンテンツ:暑さ対策スマートパッケージ(提供:熊谷市)
クマぶらコンテンツ:暑さ対策スマートパッケージ(提供:熊谷市)

今井さん:スマートシティという手段を通じて、暮らす人が便利になるだけでなく、それぞれが持つ夢を形にすることや、自分らしく暮らすことが叶う熊谷市となるよう、取り組んでいます。

インスタやYouTubeなどSNSを活用した情報発信

――熊谷市の魅力について、現在行われているプロモーション活動等はございますか?

磯野さん:広報広聴課はシティプロモーションの業務も担当しておりまして、2024(令和6)年3月に「熊谷市シティプロモーション推進方針」を策定し、現在はSNSに力を入れて取り組んでいます。ひとつはインスタの投稿です。1週間に2本以上のペースでアップしています。熊谷市のことをよく知らない人にとっては熊谷市の良さを知るきっかけにしていただき、熊谷市に住んでいる人に向けては魅力の再発見につながるような、熊谷市ってこんなに良いところがあるんだと、市に愛着を持っていただけるような投稿を目指して制作しています。

磯野さん
磯野さん

磯野さん:またYouTubeでも「Our Place~私たちがつくる熊谷の未来~」という番組を作っていまして、熊谷市を拠点に活動しているさまざまな分野の人にスポットを当ててインタビュー形式の動画を作成しています。

磯野さん:さらに来年度にはなりますが、現在、プロモーション動画の制作を進めています。公開はおそらく夏頃を予定していますので、楽しみにしていてください。

お祭りやイベント、スポーツ、食文化など魅力満載の熊谷市

――最後に、熊谷市へ移住を考えている方へメッセージをお願いします。

磯野さん:熊谷市は「熊谷うちわ祭」をはじめ、花火大会やスポーツイベントも盛んなので、楽しさやにぎわいを感じていただけるのではないかと思います。またさまざまな食文化も根付いていまして、文化庁の「100年フード」に認定された「五家宝」や「妻沼のいなり寿司」のほか、熊谷市を代表するスイーツ「雪くま」や熊谷産の小麦を使ったうどんにも注目が集まっています。

夏のにぎわいを見せる「熊谷花火大会」
夏のにぎわいを見せる「熊谷花火大会」

磯野さん:ちなみに「雪くま」は「熊谷スマートシティ」と紐付けて、「クマぶら」内でスタンプラリーに参加できるようになっています。

今井さん:意外と知られていないところで言いますと、熊谷市は工業、商業、農業いずれも県内上位の規模で、就業につながるポイントだと思います。

それから、ラグビーワールドカップ™の会場にもなった「熊谷ラグビー場」は県内随一の施設で、ラグビー観戦を通して熊谷市の魅力を肌で感じていただければと思います。

「熊谷ラグビー場」のある「熊谷スポーツ文化公園」(提供:熊谷市)
「熊谷ラグビー場」のある「熊谷スポーツ文化公園」(提供:熊谷市)

磯野さん:興味のある方はインスタやYouTube、「クマぶら」でお友だち追加をしてぜひ熊谷市の魅力に触れてみてください。

今井さん(左)、磯野さん(右)
今井さん(左)、磯野さん(右)

熊谷市役所

熊谷市市長公室 広報広聴課 磯野さん(右)
熊谷市総合政策部 企画課 今井さん(左)
所在地:埼玉県熊谷市宮町2-47-1
電話番号:048-524-1111
URL:https://www.city.kumagaya.lg.jp/
※この情報は2024(令和6)年8月時点のものです。

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