JR「南浦和」駅東口より徒歩15分ほどの場所にある「Boulangerie K.YOKOYAMA（ブーランジュリー・ケイ・ヨコヤマ）」。早朝7時の開店とともに、焼きたてのパンを求める常連客が訪れ、週末には遠方からも車で人が集う、地域で愛されるパン屋だ。

そんな店を創業したのは、フランス料理のシェフとして腕を磨いた横山 暁之介さん。食のプロとして「パンも料理の延長」と捉え、理想のパンを追求し2004（平成16）年に開業。素材選びから具材まで一切妥協せず、「パンは日常の中のごちそう。だからこそ、安心・安全で、毎日食べたくなる味を提供したい」という想いをもと、店づくりを続けてきた。現在は、その想いを娘である横山 杏奈（K.YOKOYAMA 株式会社 代表取締役）さんが受け継ぎ、二代目として店を守っている。

店内には、総菜パンや菓子パン、サンドイッチ、食パンなど常時80〜100種のパンが並ぶ。多くの人に愛される理由は、確かな技術と誠実な姿勢、そして“人”の想いにある。

まず、特徴的なのが、焼きの設備。大型ブレッドや食パンは蓄熱性の良い特注のスペイン製の回転石窯でじっくり焼き上げ、水分を保ちながらしっとりとした食感に。夜中から仕込み、発酵にはオーバーナイト製法を採用したフランスパンや、クロワッサンなどのハード系は、大理石を敷いたヨーロピアンブレッド専用窯で高温短時間で焼き上げる。これにより、香ばしさと瑞々しさを同時に実現している。

また、安心・安全へのこだわりも徹底している。添加物は極力使用せず、複数の自家製パン種と長時間発酵で小麦の旨みを引き出す。フィリングやクリーム、ソース類はすべて店内で手作り。さらに、創業者がドイツ研修で学んだレシピを基にした自家製ソーセージも見逃せない。天然の腸を使用し、余計なものを加えず丁寧に仕上げられている。そうした手間を惜しまぬ姿勢が、毎日の美味しさを支えている。

「父が残したパン生地の配合は完成品。そこは変えずに守りながら、新しい季節のパンや流行のアレンジで進化を加えていきたい」と語る二代目の杏奈さん。「パンは日常の中にある“ちいさな幸せ”。父が目指したのは“敷居の高くない、でも本格的なパン屋”。私もその精神を大切にしたい。『美味しいパンといえば、K.YOKOYAMA』。そんなふうに地域の方々に思い浮かべてもらえる店でありたいです」。父の想いと娘の情熱が、今日も一つひとつのパンに込められている。

Boulangerie K.YOKOYAMA（ブーランジュリー・ケイ・ヨコヤマ）
所在地：埼玉県川口市小谷場455-1 
電話番号：048-263-0222
営業時間：7:00～16:30（年中無休）
https://www.bkyokoyama.com/