スペシャルインタビュー

子育てファミリーにとって身近で頼りになる「地域子育て支援センターつぼみ」

子育て支援の拠点として新座市内に11ヵ所設置されている「地域子育て支援センター」。子育て中の親子の交流の場として、子育て中の疑問や悩み、困りごとなども相談できる身近で頼りになる施設。「すぎのこ保育園」の2階にある「地域子育て支援センターつぼみ」には子育て支援コーディネーターもいるため、移り住んだばかりで地域のことがわからない子育てファミリーにとっても心強い味方になってくれるだろう。

今回は「地域子育て支援センターつぼみ」のセンター長を務める高橋様と、子育て支援コーディネーターの伊部様を訪ね、施設の概要や取り組み、子育て支援コーディネーターの役割などについてもお話を伺った。

左から 子育て支援コーディネーター 伊部さん、「地域子育てセンターつぼみ」センター長 高橋さん、「社会福祉法人シンエイ福祉会」理事長 神杉さん、職員の羽根田さん
左から 子育て支援コーディネーター 伊部さん、「地域子育てセンターつぼみ」センター長 高橋さん、「社会福祉法人シンエイ福祉会」理事長 神杉さん、職員の羽根田さん

「すぎのこ保育園」の2階にある「地域子育て支援センターつぼみ」

――まず、「地域子育て支援センターつぼみ」の概要、ご利用方法についてご紹介ください。

高橋さん:「地域子育て支援センターつぼみ」は、「社会福祉法人シンエイ福祉会」が運営する「すぎのこ保育園」の2階にあります。理事長によると、2006(平成18)年に開園した保育園に併設するかたちで地域子育て支援センターを開設したそうです。

実際に室内にお入りいただくと2階で日当たりも良く、ワンフロアなのでとても広く感じられると思います。また駐車場も5台分ありますので雨の日でも気軽に利用することができると思います。

「地域子育て支援センターつぼみ」
「地域子育て支援センターつぼみ」

利用時間は月曜日から金曜日までの朝9時から11時30分、13時30分から15時30分までの午前・午後に分かれています。今はコロナ禍のためご利用は2時間までと時間制限を設け、さらに各回8組までと人数制限も行なっています。施設をご利用いただくにあたってお電話でご予約をいただいています。以前は予約なしでご利用できたので、当初は電話しづらいという方も多かったようですが、今ではすっかり浸透して毎朝9時前くらいから問い合わせの電話が鳴っています。

ワンフロアで広々した室内
ワンフロアで広々した室内

就学前のお子さんとその保護者を対象にした「つぼみ」

――実際にどのような方が利用されているのでしょうか?

高橋さん:「つぼみ」では妊婦さんから就学前のお子さんとその保護者も対象にしています。お子さんの年齢に応じてご利用いただくスペースを分けていまして、例えば小さいお子さんを連れたお母さんが安心して過ごしやすいようにとマットを敷いたスペースや、おままごとやおもちゃを使って遊べるスペースもあります。もうちょっと大きいお子さんは部屋の奥にあるすべり台などで遊べるようになっています。

陽光が差し込む明るい部屋で思い切り遊具で遊べる
陽光が差し込む明るい部屋で思い切り遊具で遊べる

新座市内には現在11ヵ所の地域子育て支援センターがあり、保育園に併設した施設や児童センター内の施設など、それぞれ特徴があり運営する団体も違うので活動内容もさまざまです。お母さんたちの話を聞くと、みなさんその日のご都合や目的のプログラムに合わせて色々な施設を使い分けているようです。「つぼみ」には子育て支援コーディネーターがいるのも特徴のひとつで、子育てに関する疑問や悩み、困りごとなどの相談にも対応しています。

子育てに関する疑問や悩み、困りごとについて一緒に考え、解決に向けてお手伝い

――子育て支援コーディネーターのいる地域子育て支援センターが市内に2ヵ所あるそうですが、実際にはどのようなことが行われているのでしょうか?

高橋さん:子育て支援コーディネーターが配置されて4年目になりますが、コロナ禍の影響もあって今はまだ周知活動が主なところです。

伊部さん:そもそも子育て支援コーディネーターがどんな役割で、どんなことをしているのか。市内ではまだ地域子育て支援センターという施設があることも知られていないといった状況もあるので、がんばって周知活動をしているところです。

子育て支援コーディネーターというのは、妊娠中の方や子育て中のご家族にとって、子育てに関する疑問や悩み、困りごとについて一緒に考えて、解決に向けてのお手伝いをするといった存在です。また必要に応じて子育てに関する情報提供や適切な施設、専門家とつながるためのお手伝いもしています。

もう少し具体的なお話をすると、はじめての子育てで不安であることとか、どんな保育園・幼稚園があるのかとか、子どもの発達やご自身の悩み、ご夫婦関係についてなど、どんなお話でも大丈夫です。ちょっと困ったなとか、誰かに聞いてもらいたいとか、どこに相談したら良いか分からないといったことも含めて気軽にご相談ください。

「子育て支援コーディネーター」の紹介リーフレット
「子育て支援コーディネーター」の紹介リーフレット

リーフレットには自分の簡単なプロフィールも載せていますが、私自身も子育て中のママです。これまで地域子育て支援センターや児童養護施設、児童発育・発達支援センターで働いてきました。

私のほかにもう一人、児童センター内にある地域子育て支援センター「セサミ」にも子育て支援コーディネーターがいて、今は橋本先生と一緒に施設や各機関をまわって子育て支援の輪を広げているところです。

――実際にはどのような相談がありますか?

高橋さん:子育て支援コーディネーターへの相談に限らずよく話を伺うのはお子さんの発育とか、お食事、睡眠に関することが多いですね。

あと新座市に転入されてきたばかりの方が地域のことが分からなくてとお子さんを連れていらっしゃることもありますね。どこのスーパーが良いとか、病院はどこにあるのかとか、お母さんたちの輪に入って地域のことを聞いたりしていますよ。

コーディネーターには、どこに相談したらよいかわからないことも聞ける
コーディネーターには、どこに相談したらよいかわからないことも聞ける

クリスマスやハロウィンなど子どももお母さんも楽しめる季節のイベント

――季節のイベントや様々なプログラムも開催されているようですが、人気のある取り組みについて教えてください。

高橋さん:赤ちゃん向けのプログラムが人気で、生後10ヶ月くらいまでのお子さんとその保護者を対象にした「ベビータイム」というプログラムがあります。毎月2〜3回実施しています。またはじめてのお子さんをお持ちのママたちが集まる「0歳児サークル」や、おすわりが出来るようになった頃から始める「リトミック遊び」、5ヶ月から1歳くらいまでのお子さんを対象にした「ベビママヨガ」も人気ですね。

あとは季節の行事も人気がありますね。子どもたちだけではなく、ママたちも大好きなんです。ちょうど昨日はクリスマスイベントをやったのですが、サンタクロースがプレゼントを持って来てくれました。みんなで遊べるようにと「つぼみ」に新しいおもちゃが増えました。他にもダンスをしたり、職員がハンドベルを披露したり。部屋を暗くしてブラックシアターもやりました。

伊部さん:サンタさんと一緒に記念写真もとりましたね。

高橋さん:お子さんももちろんそうですけど、お母さんたちにも楽しんでもらいたいと思っているので、お家では出来ないようなことをしてみんなで一緒に楽しんでいます。

親子で楽しめるイベントを開催
親子で楽しめるイベントを開催

今日はどんなことをしたいのか、何を求めているのか感じとることが大切

――お子さんや保護者と接する上で大切にされていることがあれば教えてください。

高橋さん:そうですね、この場所に来て2時間過ごしてそれでおしまいということではなく、みなさんその日その日によって求めていることがちょっとずつ違いますので、いま何をしたいか、どんなことを求めているかというのをこちらで感じ取って対応していくことも大切だと思っています。今日はお子さんとどんなことをして過ごしたいのか、お母さんは何か情報が欲しくて来たのかなと感じとることですよね。

伊部さん:そのあたりは高橋先生すごく上手で、例えばお子さんの発育に関して話したそうにしているママがいれば、ちょっと年齢が上のお子さんがいるママさんに声をかけて、私もこんなことに困ってたわとか、ゆくゆくはこうなるから大丈夫よといったお話しをママ同士でできるようにつないでくれるんです。

高橋さん:私たちが言うよりも親御さん同士でお話をしていただいた方がグッと胸にくるものがありますよね。

伊部さん:「つぼみ」の良いところは乳幼児から大きいお子さんまで異年齢のお子さんが一緒にいるので、はじめて子育てをする方にとっては、他のお子さんの様子を見て子育ての見通しが持てるというのは安心にもつながる部分だと思います。また一方で「ベビータイム」のように同じ年齢のお子さんをもつママだけの時間も大事だなと思いますし、どちらも大切にしていきたいと思っています。

2駅あって交通の利便性が良く、買い物にも便利。公園も多いので子育てしやすい

――新座・志木周辺の子育て環境の魅力についてお聞かせください。

高橋さん:このあたりは「新座」駅と「志木」駅の間にあるので交通の利便性も良いですし、スーパーマーケットや100円均一などのお店もたくさんあるので買い物をするのにも便利だと思います。

あとは住宅地の中に小さな公園がたくさんあるのも良いですね。顔見知りの人とも出会ったりして、「このあいだ公園で会いましたね」とお母さん同士でお話ししている様子も見られます。これから子育てをする方にも住みやすい環境だと思います。

「つぼみ」の横にある「ポケットパーク」
「つぼみ」の横にある「ポケットパーク」

「つぼみ」の横にも「ポケットパーク」という公園がありますし、「いなげや」の横にある「中東公園」もみんなからイルカ公園と呼ばれて親しまれています。

ほかにも「新座」駅の方に行くと「ふるさと新座館」という施設があって、その隣にある「野火止用水公園」もおすすめです。公園内に小川が流れていて夏場も遊べますし、ザリガニもとれるんです。

「野火止用水公園」
「野火止用水公園」

――買い物は具体的にどのようなお店がありますか?

高橋さん:すぐ近くに「世界市」がありますし、「志木」駅の方に行くと「いなげや」、「オーケー」、「TAIRAYA」もありますね。また新座市役所の方に行くと「西友」、「ヤオコー」があって、どこも自転車で行ける範囲なので買い物にはとても便利だと思います。

自然と都会がミックスされた子育てに良い環境

――これからこのエリアに住みたいという方に向けて、ひとことお願いします。

高橋さん:私は新座市に住んでいますが、新座市と言えば「平林寺」があって紅葉の時期とか新緑も綺麗ですし、ほどよい自然が残っているのが良いところですね。自然と都会がミックスされた子育てに良い環境かなと思います

あとここに来るお母さんたちの話を聞いていると、みなさん朝霞の方に出かけたり、和光の児童センターに行ったりと、志木や新座に限らずいろんなところに積極的にお出かけしているようです。

「平林寺」
「平林寺」

――子育て支援コーディネーターからも今後の抱負などひとことお願いします。

伊部さん:子育て支援における「包括的支援」「妊娠期からの切れ目のない支援」を行うには、子育て支援の輪を広げていく必要があります。地域の子育て支援は制度的にも体制としても改善していけるところがあるので、今は外に出て周知活動をがんばっているところです。

地域子育て支援センターの職員だったときは、そこに来てくれる方をお迎えするだけだったのですが、今では外に出ることができるようになったので、自分から外に出て、発信して、いろいろな人や地域とつながることができるようになりました。待っているだけじゃできないことも外に出ればちょっとずつ変わっていくのかなと思いながら、少しずつ積み重ねている段階です。今は目の前にあることを頑張って、地域の支え手がつながれる地域づくりができれば良いなと思っています。

子育てファミリーの心のよりどころとなる「地域子育て支援センターつぼみ」
子育てファミリーの心のよりどころとなる「地域子育て支援センターつぼみ」

「地域子育て支援センター つぼみ」の皆様
「地域子育て支援センター つぼみ」の皆様

地域子育て支援センターつぼみ

左から
子育て支援コーディネーター 伊部さん
「地域子育て支援センターつぼみ」センター長 高橋さん
「社会福祉法人シンエイ福祉会」理事長 神杉さん
職員 羽根田さん

所在地: 埼玉県新座市野火止5-18-21
電話番号: 048-202-6882
URL:https://suginoko-niiza.jp/tsubomi
※この情報は2022(令和4)年12月時点のものです。