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妊娠期から子育て期の家庭や子どもたちへの切れ目のない支援をする「富士見市子ども未来応援センター」のご担当者にインタビュー

富士見市は埼玉県から「地域子育て応援タウン」に認定されるなど、子育て世帯への支援に積極的な自治体として知られている。近年は「三井ショッピングパーク ららぽーと富士見」ができたり、東武東上線の「みずほ台」「鶴瀬」「ふじみ野」の3駅を市域にもつ利便性の高さが注目され、都心に通う子育て世代のファミリーから熱い視線を注がれている。

富士見市ではその期待に応えるべく、さまざまな子育て支援政策が年々拡充されているが、そのひとつの形となっているのが、市役所から南東側、富士見江川沿いにある「富士見市立健康増進センター」内にある、「富士見市子ども未来応援センター」だ。

「富士見市立健康増進センター」
「富士見市立健康増進センター」

「富士見市子ども未来応援センター」は子どもの総合相談窓口として設置された部署であり、その後児童福祉(虐待関連)の部門と母子保健の部門が統合されたものである。このことで、従来の縦割りの仕組みから横のつながりを生み出し、妊娠初期から、出産、乳幼児期、児童期、その後の高校卒業くらいまで、あらゆる悩みの相談に乗ってくれる。子育て中の保護者、そして子どもたちにとっても、頼りになる施設だ。

今回はここ「富士見市子ども未来応援センター」で児童福祉部分を担う副所長、外澤千清さんと、母子保健部分を担う副所長、村井佐恵さんのお二人にインタビューを行い、富士見市の子育て支援の取り組み、鶴瀬を中心としたエリアの魅力についてお話を聞いた。

「富士見市子ども未来応援センター」
「富士見市子ども未来応援センター」

――富士見市では子育て支援に関するさまざまな取り組みを行われているそうですが、特に力を入れている部分、特徴的な施策などがあれば教えてください。

外澤さん そもそも、富士見市が「子育て応援タウン」に認定されたのは2011(平成23)年のことで、市内に「子育て支援センター」が整っていて、子育てに関する窓口を設置しており、子育て支援のネットワークがあるという部分が評価されて、認定を受けました。この「子育て支援センター」は当時、市内に7か所ございまして、今では合計10か所に増えています。

「子ども未来応援センター」の役割としては、子育てに関わるあらゆる相談や支援の窓口ということで、妊婦の方への面談、産後ケアなどの事業も行いながら、妊娠期から子育て期の家庭や、子どもたちへの切れ目のない支援を行っています。

村井さん 妊娠届をお出しいただく時に、こちらの応援センターにいらしていただくことになります。その時に必ず、お電話とかではなく、直接、妊婦さんご本人と面談をさせていただいています。心配なこと、気になっていること、家族の状況などをお伺いして、妊娠期間中にもこちらから定期的にお電話をして、その後の状況をお伺いし、ケアしています。

寄り添ってくれるケア事業
寄り添ってくれるケア事業

この面談の時にお渡ししているのが「すくすく子育てガイド」という冊子で、こちらには妊娠期の注意点から、富士見市の子育てに関するあらゆる情報がまとめられていますので、ぜひ活用いただければと思います。

「すくすく子育てガイド」
「すくすく子育てガイド」

――出産後、実際にどのような支援が受けられるのでしょうか。

村井さん 出産後はまず、乳児家庭全戸訪問事業ということで、直接訪問させていただいています。支援内容や支援施設をご紹介させていただいて、その後、公共施設に出てきていただけるくらいになったら、乳児相談、母乳相談などもさせていただきます。自宅から出られない方も「産後ケア事業」を利用していただければ、助産師がご自宅に訪問しますので、いろいろな相談に対応できるかと思います。

あとは、場所の提供ですね。産後は大人としゃべる機会が少なくなりますので、お母さんたちがリラックスできるように、同じくらいの赤ちゃんがいる方が集まる、「ママのリラックスタイム」といった場所の提供も行っています。

「ママのリラックスタイム」の様子
「ママのリラックスタイム」の様子

――保育園の待機児童解消に関して、富士見市ではどのような取り組みをされていますか?

外澤さん 2022(令和4)年4月1日の時点で、富士見市の待機児童数は21名となります。保育所の定員にはわずかに空きがあるんですが、お住まいの地域によっては行けない場合もあるので、どうしても待機が出てしまう状態です。

今後の対策としては、2023(令和5)年4月に、一つの私立幼稚園が認定こども園へ移行する予定で、一定数の解消はできると思います。また、みずほ台地区では同じく2023(令和5)年4月に小規模保育施設が開園する予定でして、このふたつの新たな場所をもって、改善していければと思います。

幼稚園から移行する認定こども園の新設棟(イメージ)
幼稚園から移行する認定こども園の新設棟(イメージ)

――子ども支援に関して、今後さらに拡充していく予定があれば教えてください。

村井さん まずは、「産後ケア事業」の拡充です。この事業は、出産直後のお母さんにちょっと休んでいただいて、赤ちゃんのケアの方法や、授乳に関するご相談をお受けするという事業ですが、現時点ではご自宅に訪問する、という形で行っています。今後はこれを、出産できる市内病院の産科さんのご協力も得ながら、病院で、産後ケアの事業をできたらいいなと考えています。

出産ができる産婦人科もしっかり冊子にまとめられています
出産ができる産婦人科もしっかり冊子にまとめられています

――子育てをする街としての、富士見市の利点、魅力についてお聞かせください。

外澤さん 富士見市には3つの駅があって、都心にも近いので、通勤通学はもちろん、遊びに行くにもいろいろな方面にアクセスが良く、これはかなり魅力だと思います。いっぽうで、南畑地域などは特にそうですが、まだまだ原風景がたくさん残っているんですね。自然にふれながら、子育てを楽しんでいただけるのかなと思います。

あと、富士見市は田畑がたくさんあるので、お散歩コースに農家さんの販売所があったり、スーパーに行っても地場産野菜のコーナーがあってすごく安く売っていたり、新鮮で安心な野菜が手に入りやすいというのも、魅力だと思います。

新線で安いお野菜がたくさん
新線で安いお野菜がたくさん

村井さん さらにひとつ加えるなら、子どもの医療体制が充実していることですね。富士見市には市内に2か所、出産ができる病院があって、これは人口規模から考えるとすごく恵まれています。入院できる小児科もありますので、子どもの医療で不便を感じることは少ないと思います。

お買い物するにも「三井ショッピングパーク ららぽーと富士見」がありますので、富士見市内でなんでもそろいますし、年々、便利になってきているように感じます。

「三井ショッピングパーク ららぽーと富士見」
「三井ショッピングパーク ららぽーと富士見」

――地域の方が子どもたちの居場所を作ったり、食事を提供したりする「子ども食堂」の活動もさかんだそうですね。

外澤さん 子ども食堂は今、市内に12か所あります。今はまだコロナ禍の影響もあって、会食での子ども食堂を行っているところは少ないのですが、お弁当を作って、定期的にお渡しをするという活動は続いています。行事などができる時には、クリスマス会など、季節の行事をやってくださっていて、今後は様子を見ながら、従来の子どもたちの居場所としての活動も少しずつ再開できるといいなと思います。

子ども食堂でお弁当を手渡す様子
子ども食堂でお弁当を手渡す様子

――富士見市内のお気に入りのスポットを教えてください。

村井さん 私は、「谷津の森公園」がおすすめですね。「谷津幼稚園」の前にある素朴な公園なんですけれども、小さな山みたいになっているので、登ったり下ったりして遊べるし、どんぐりの木がけっこうあるので、秋になるとそこで子どもたちがどんぐりを拾って、遊んだり探検したりしています。ここはちょっと、隠れスポットかなあと思います。

「谷津の森公園」
「谷津の森公園」

外澤さん 私はやっぱり、「子育て支援センター」をおすすめしたいですね。市内の子育て支援センターは民間の保育園にあるものが多いんですが、「鶴瀬」駅の南の「鶴瀬西交流センター」の中には市でやっている「ぴっぴ」という子育て支援センターもありますので、ぜひご利用いただければと思います。子育て支援センター「ぴっぴ」は子ども未来応援センターと同じ所管で、横でつながっていますので、いつでも気軽に立ち寄っていただいて、気になることは何でもご相談いただければと思います。

「鶴瀬西交流センター」
「鶴瀬西交流センター」

 

埼玉県富士見市・「富士見市子ども未来応援センター」
埼玉県富士見市・「富士見市子ども未来応援センター」

富士見市 子ども未来部 子ども未来応援センター

副所長(児童福祉担当) 外澤 千清(そとざわ・ちはる)さん
副所長(母子保健担当) 村井 佐恵さん
所在地:埼玉県富士見市大字鶴馬3351-2
電話番号:049-252-3773・049-252-3774

■子ども未来応援センター
https://www.city.fujimi.saitama.jp/kosodate_kyoiku/kosodate_oen/shisetsu_asobiba/kosodatemiraiouen_ce.html
※この情報は2023(令和5)年2月時点のものです。

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