美園南中学校 スペシャルインタビュー

2019年4月開校!美園の新しい歴史をつくる「さいたま市立美園南中学校」

「浦和美園」駅の南東に位置する「イオンモール浦和美園」のすぐ南に、2019(令和元)年8月に完成した「さいたま市立美園南中学校」。ここは浦和美園の新街区の南側に住む生徒が通いやすい中学校としてスタートした。しかし、開校までの道のりは苦難の連続。しかし、それがあったからこそ、生徒や先生方が団結力をもって学校をスタートさせることができたのかもしれない。今回はそのような「美園南中学校」で校長を務められ、とってもフレンドリーな人柄で生徒からも慕われている、長岡有実子先生にお話を伺った。

今回取材にご協力頂いた長岡有実子校長先生
今回取材にご協力頂いた長岡有実子校長先生

――「美園南中学校」は2019(令和元)年8月に開校した新設の中学校ということですが、開校までの背景についてお聞かせください。

長岡校長先生:近年の街の発展にともなって、古くからある「美園中学校」の生徒数が大幅に増えていたことから、そこから分離する形で新しく本校が開校しました。正式には2019(平成31)年4月1日が開校日なのですが、実は校舎の建設がかなり遅れてしまいまして。なので、4月の開校式は「美園小学校」で行い、実際にこの校舎を使い始めたのは8月からになります。
生徒数は現在501名で、2、3年生のほとんどは美園中から移ってきた生徒たちですが、1年生については、美園小から140人、大門小から30人、その他、川口などの小学校から10名ほどという内訳になっています。

新校舎の外観
新校舎の外観

本校は開校するにあたり、開校式、始業式、入学式を同日に行いました。それ自体もとても大変だったのですが、その後も苦難の道が続きました。当時はまだ校舎ができていなかったので、1年生は美園小の仮設校舎で学校生活を送り、2、3年生はお別れしたはずの美園中で、特別教室をすべて普通教室に改装してもらって、1学期の間を過ごしました。ですから1学期の間は、全校生徒が集合できた機会は数えるほどしかありませんでした。

そして、この校舎の工事が7月末に終わり、8月5日に引越しをして、新校舎に移ってきました。8月27日が2学期の始業式だったので、本当の意味で全校生徒が本校に集まれたのは、それが初めてでした。その時の喜びというのは、生徒も教職員も、非常に大きなものがありましたね。“当たり前のこと”が実現しただけなのですが、苦難が大きかった分、喜びもとても大きかったです。

新校舎の外観
新校舎の外観

――生徒も先生方も、1学期の間は大変な思いをされていたのですね。

長岡校長先生:そうですね。しかしそんな中でも、野球部が美園中との合同チームで大会に出場し、県大会で3位になるというミラクルを起こしてくれました。大変だった半面、嬉しいこともたくさんあったんですよ。また、生徒たちにとっても、急にこれまでいた環境から離されてしまうのではなく、静かに穏やかに“本当のさよなら”に向けて助走をしているような感覚があったのかなと思います。その分、この1学期を愛おしく過ごしてくれたのではないでしょうか。なので、1学期の終業式の時はとても感動しましたね。

教室の様子
教室の様子

――新しい校舎について、特徴や自慢のポイントなどがあれば教えてください。

長岡校長先生:校舎がすべてバリアフリーになっている点と、木材がふんだんに使われている点が特徴的だと思います。床の材木はすべて埼玉県秩父産のひのきを使っていてとても温かみがありますね。また、建物は3階建ての低層校舎なので、美園の街に調和していて、とても良いと思います。

校舎内のバリアフリー
校舎内のバリアフリー

開放的な校舎内
開放的な校舎内

最近は防災拠点としての役割も重要になってきているので、建物は頑丈につくられていますし、防災への備えもしっかりとできています。
今年10月の台風19号の時には、本校に避難所が開設され、50名を超える方が避難されて来ました。その時は学校のマットなどを全て提供し、万全の体制で受け入れることができたので、少しでも安心して過ごしていただくことができたのかなと思っています。これだけ立派な建物ですから、地域の中の“安心のシンボル”になっていければいいなと思います。

――美園南中の学校目標、教育目標について教えてください。

長岡校長先生:開校にあたって私が考えたのは、「挑戦」「創造」「感動」という3つの言葉です。なにしろゼロからのスタートなので、ひとつひとつ作り上げていかなければなりません。そのような環境というのは、生徒も教職員もみんなが挑戦をしていかないといけない。そして、わたしたちが頑張っている姿が、人に感動を与えられるようなものでありたい。そういった思いを込めてこれらの言葉を学校教育目標に掲げました。

教育目標
教育目標

――教育活動について、特に力を入れていることがあれば教えてください。

長岡校長先生:「地域や社会に貢献できる人材の育成」ということを大事にしています。浦和美園は「さいたまスタジアム」の建設にともなって発展してきた街で、まだまだ新しい街なので、この街を将来背負ってくれるような生徒を育てていくのが、美園南中の使命だと思っています。
そのために、小学校や地域とも連携しながら、皆様に愛され、地域に貢献できる人材を育成していきたいと思っています。

――地域の方々との連携、交流などがあれば教えてください。

長岡校長先生:地域の方も新しく開校した本校のことを知ってくださっている方も多くいらっしゃるので、こちらからどんどん働きかけて、学校に招待しています。この素敵な学校はこの街のものなので、地域の方々にもぜひたくさん来ていただきたいです。

すでに自治会の会議なども本校の多目的室を使っていただいていますし、今後はそのほかにも様々な場面で使っていただけるように働きかけていく予定です。将来的には公民館のように、地域の方が当たり前に訪れるような学校になれば嬉しいです。やはり地域があっての学校だと思いますから、しっかりと信頼関係を築いて“地域に愛される学校”にしていきたいですね。

――そのほか、地域の企業や団体、幼稚園・小学校等との連携があれば教えてください。

長岡校長先生:まだまだこれからですが、大門小と美園小については1学期の経緯があるので、とても良い連携が図れていると思います。また、来年からは美園小と一緒に「コミュニティスクール」を立ち上げて、地域の方も交えた「学校評議委員会」の中で物事を決めていくことになります。なので、今後はもっと地域や近隣の学校との連携がとれていくのかなと思っています。

幼稚園については、3年生の授業の中で「赤ちゃん・幼児触れ合い体験」という時間があり、近くの「大門幼稚園」に行かせていただいて、子どもたちと手づくり布絵本の読み聞かせ等の体験をさせていただきました。学校の周りにはたくさんの保育園や幼稚園があるので、これから新しい連携の形も広げていきたいですね。

以前には「浦和レッズ」さんと連携し、生徒を試合観戦に招待していただいたこともありました。また、「浦和東警察署」と連携して、「イオンモール浦和美園」で啓発チラシの配布をお手伝いをさせていただくこともありましたね。どちらも生徒にとっては非常に貴重な体験になったようなので、このような連携は今後も増やしていきたいと思っています。

――クラブ活動について、特徴的な点があれば教えてください。

長岡校長先生:クラブ活動については、基本的に美園中にあった部活をそのまま引き継いでいます。今年は美園中との合同チームで試合に出場した部活もあれば、テニス部やバドミントン部などのように「ついこの前まで仲間だったのに、敵になって戦う」という部活もあって、涙の展開がありました。また、なかでも吹奏楽部は埼玉県吹奏楽コンクール 中学校Bの部へ出場し、銅賞を獲得しました。子どもの可能性のすごさを目の当たりにしましたね。

部活動の活躍
部活動の活躍

――この秋には、「開校記念体育祭」と「開校記念合唱コンクール」を開催されたそうですね。

長岡校長先生:9月に行われた「開校記念体育祭」は、歴史に残る体育祭ということで、生徒の意気込みを感じました。とても素晴らしい体育祭だったと思います。途中で雨が降って中断することもあったのですが、非常に盛り上がり、大盛況に終わりました。

10月の合唱コンクールも生徒の気合い十分で、とても素敵な合唱コンクールになりました。これからも毎年秋の恒例の行事として続けていきたいですね。

音楽室
音楽室

――新しく決まった校章は生徒によるデザインだと聞きました。どのような思いが込められているのでしょうか?

長岡校長先生:校章については、生徒全員が美術の時間にそれぞれデザインを考え、それを一次選考で12個の候補に絞り、その後3つの候補まで絞りました。最終的には、得票の多かったデザインと、もう1つの候補にあった文字を組み合わせた、ハイブリッドの校章にするということで決定しました。

校章の航空写真 提供:(株)ひまわり空撮
校章の航空写真 提供:(株)ひまわり空撮

この校章は緑区の「区の鳥」でもある白鷺(しらさぎ)がモチーフになっており、「緑区から世界にはばたく」という想いが込められています。そのほか、デザインを作成した生徒によると、白鷺の羽根を少し角ばらせることで、世界の近未来化をイメージしたのだと聞きました。また、羽根はひとりひとりが翼の一部になれるという思いで、デザインに取り入れたのだそうです。とてもよく考えられていますよね。

――美園中に通われる生徒やその保護者にはどのような方が多いでしょうか。

長岡校長先生:一言で言えば、「心やさしき生徒」と「協力的であたたかい保護者」ですね。そして、「最高の教職員」というのも加えさせてください。本当に素晴らしい環境の中にある学校だと思っています。

やはり、分離という特殊な経験をして、「別れはつらいけれども、ともに頑張ろう」という気持ちをもっているからか、相手のことを思いやれる優しい生徒ばかりですね。また、それは小学校の時から、日々学んできたことでもあるのかなと思っています。本当にいい子ばかりです。

――美園南中での学校生活を通して、「こんな大人に育ってほしい」などの思いがあれば教えてください。

長岡校長先生:「人の役に立つような大人になってほしい」と思っています。自分の良いところを伸ばしながら、それぞれが頑張って、地域のため、市のため、県のため、国のため、世界のために役に立っていってほしいです。そういう可能性を秘めている生徒たちであり、そのような街だと思っていますので。未来へ、世界へ、羽ばたいてほしいですね。

――最後に、美園地域の魅力と中学校の未来のビジョンについて、一言お願いします!

美園からすぐの場所にある「しらこばと水上公園」
美園からすぐの場所にある「しらこばと水上公園」

長岡校長先生:素敵な街並みと、豊かな自然があって、その恵まれた環境のなかで子育てや教育がなされていくということは、本当に素晴らしいことだと思っています。美園はさいたま市の中でも副都心という位置づけで、これからも発展していく街だと思いますので、私どももそこに置かれた学校という大きな使命を感じながら日々を過ごしています。
まだまだ新しい中学校ですが、地域の方々とも連携をしながら、皆さんに愛される学校になれるよう、子どもたちを一生懸命に、そして大切に育てていきたいと思っています。

「美園南中学校」
「美園南中学校」

さいたま市立「美園南中学校」

校長 長岡有実子先生
所在地 :埼玉県さいたま市緑区美園6-15
電話番号:048-878-3511
URL:http://misonominami-j.saitama-city.ed.jp/
※この情報は2019(令和元)年12月時点のものです。