吉川市役所 スペシャルインタビュー

魅力ある街づくりを加速。新しい「吉川美南」をつくる吉川市の取り組み

埼玉県吉川市の南部に、JR武蔵野線の新駅として2012(平成24)年に誕生した「吉川美南」駅。この街では駅の建設と並行して、かつて操車場だった西口側の地区開発が行われ、新しく「美南」という街が誕生した。西口の開発によって次々と新しい住宅や店舗が建ちつつある一方で、2017(平成29)年の6月には駅東口側において、「越谷都市計画事業吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業」の事業計画が決定された。そして、今回はこの東口側の街づくり計画の話題を中心に、吉川美南エリアの将来ビジョンについて吉川市役所の担当者の方にお話を伺った。

写真左から峯岸怜平さん、千葉俊樹さん、平塚雅史さん
写真左から峯岸怜平さん、千葉俊樹さん、平塚雅史さん

新しく誕生した「吉川美南」という街

――まずはじめに、吉川美南の開発事業の概要と経緯を教えてください。

千葉さん:もともと現在の「吉川美南」駅の西口周辺には武蔵野線の操車場があり、各方面へ貨物を配車する拠点となっていました。これは1976(昭和51)年に供用開始をしましたが、物流が貨物から道路を使った輸送にスイッチしたことで、10年後の1986(昭和61)年に機能を停止することになりました。そしてその跡地を活用すべく、吉川市、三郷市、埼玉県、時には国鉄の清算事業団にも入っていただいて、新しい街づくりの検討をしてきました。

「吉川美南」駅周辺では、街づくりのための整備事業が数年前から進められている。
「吉川美南」駅周辺では、街づくりのための整備事業が数年前から進められている。

もともとは隣の三郷市も含めた、かなり広大な範囲での街づくりが計画されていましたが、社会情勢の変化を受けて、武蔵野線操車場の跡地(約28.8ヘクタール)と、今回事業計画を決定した東口側(約59.1ヘクタール)の整備を行うことになりました。まずは2008(平成20)年から操車場跡地の整備が先行して行われ、現在東口の整備事業に取り掛かり始めているという段階です。

――西口側では、どのような点に力を入れて整備したのでしょうか。

峯岸さん:街のコンセプトには「芸術・文化の街づくり」ということを掲げています。そのため「吉川」駅から「吉川美南」駅にかけての武蔵野操車場跡地には、計8個のモニュメントが配置されていて、街のシンボルとして親しまれています。
さらに駅南(えきなん)地区(駅西口側の美南1~5丁目)については住宅地としてUR都市機構さんによる土地区画整理事業が行われ、道路幅員は歩行者専用道路以外は6メートル以上あります。さらに駅前の道路の一部は電線が地中化されてるという特徴がありますので景観も良く、良好な住環境が築けているかと思います。

安全な住環境を確保するため、広々とした道路整備が行われている
安全な住環境を確保するため、広々とした道路整備が行われている

――駅前の開発で、街はどのように変化したのでしょうか。

峯岸さん:今年度行われた市民意識調査では、おおむね好評な意見を頂いています。市外から引っ越して来られた方からは、子育て関連の意見を沢山いただいています。中でも、「児童館ワンダーランド」が非常に評判が良いですね。館内にあるプラネタリウムは市民の方なら無料で鑑賞できますし、その他遊戯室や乳幼児室、図書室、さらには音楽室や図工室もあるので、子どもたちが毎日集まってきてとてもにぎやかですね。
さらに2020(平成32)年度には中学校が新設される予定でして、こちらは市民の方からの公募で「吉川中学校」という名称に決まりました。これによって子育て・教育環境もさらに整っていくのではないかと思います。

吉川市役所都市整備部 都市計画課 都市計画係 峯岸怜平さん
吉川市役所都市整備部 都市計画課 都市計画係 峯岸怜平さん

地域のイベントも充実。市民全員で街を盛り上げる

――市民が参加する街づくり事業、街のコミュニティ作り運動なども盛んということですね。

峯岸さん:吉川市では官民が連携するイベントや活動がたくさん行われています。そのひとつとしては、吉川市の商工会青年部が主催し、毎年9月に「吉川美南」駅前広場で行われる「吉川ジャズナイト」というイベントがあります。このイベントでは吉川市の特産品やグルメ、世界のビール等の販売なども行っていますので、お酒を飲みつつジャズを聴くという、贅沢な時間を過ごしていただけると思います。

吉川ジャズナイト
吉川ジャズナイト

さらに自治会が主催している「美南祭」は今年で7年目を迎え、「吉川市立美南小学校」の校舎を使って、子どもたちが楽しめるようなゲームやイベントを行っておりますので地域の方も多く訪れています。

新たな開発事業が始動。魅力ある街づくりを加速

――続いて、東口側の土地区画整理事業の概要と特徴について教えてください。

平塚さん:東口側については、2017(平成29)年の6月23日に決定した事業計画に基づき、整備を順次進めているところです。そしてこの地区の街づくりのコンセプトを「笑顔と緑があふれるみんなの庭」とし、地区全体を市民の「庭」と位置づけて、街歩きを楽しめる回遊性のある地区にしたいと考えています。住宅、商業、公園など職住近接の街づくりを目指しています。

「笑顔と緑があふれるみんなの庭」をコンセプトに進められている、駅東口側の土地区画整理事業
「笑顔と緑があふれるみんなの庭」をコンセプトに進められている、駅東口側の土地区画整理事業

駅を出てすぐ目の前、この図で見るとピンク色のエリアに関しては、「商業・業務ゾーン」と位置づけて、商業施設を誘致できるように現在活動をしております。「産業ゾーン」については、工場がメインとなりますが、工場見学ができたり、市民の方にも身近に感じていただけるような産業施設の誘致を考えています。
図の中の黄色い部分については、「住宅ゾーン」として、良好な住宅地の形成を図ります。また、駅前から「住宅ゾーン」に至るまでの間には、地区のシンボルとなるような公園を設ける計画となっており、日常的にご利用頂けるものと考えています。

――現在の工事の進捗について教えてください。

平塚さん:昨年の12月より、盛土等の造成工事を進めているところでして、今後順次範囲を広げていきます。全体の事業期間は10年間を予定しています。

千葉さん:この地区の大半は水田なので、まずは盛土をしていく必要があります。工事用の仮設道路を設けて盛土用の土を運び入れ、順次造成していきます。

吉川市役所都市整備部 吉川美南駅周辺地域整備課 千葉俊樹さん
吉川市役所都市整備部 吉川美南駅周辺地域整備課 千葉俊樹さん

――吉川美南エリア全体の将来ビジョンについて教えてください。

平塚さん:先ほど「庭」ということを申し上げましたが、これは駅前のこの地区だけの「庭」ではなくて、市民全体の「庭」という位置づけになります。吉川の原風景でもある自然を取り入れた、都市と自然が調和した街づくりを目指していきたいと考えています。

――東口側について、特にユニークなポイント、見どころがあれば教えてください。

平塚さん:やはり駅から続く地区の中央にある公園が魅力だと思います。約2ヘクタールありますので、かなり広い印象の公園になるかと思いますし、公園の形も単純な四角形ではなく、隣接する宅地も巻き込むような形にしていますので、この形をうまく利用して、公園に面しているところにお店などを作られる方がいらっしゃったら、面白いのではないかなと考えています。また、この公園内にはずっと歩いて行けるような長く続く並木道を作る予定ですので、公園と一体となって街のシンボルになっていくかと思います。

吉川市役所都市整備部 吉川美南駅周辺地域整備課 平塚雅史さん
吉川市役所都市整備部 吉川美南駅周辺地域整備課 平塚雅史さん

また、雨水を貯めるための「調整池」が地区内に2つ配置されますが、そのうちの1つは底から1段上がった部分を「底面利用」という形で、運動や憩いの場として気軽に使っていただけるように整えていきたいと考えています。

――「住まいの場」として、この吉川美南エリアの魅力とは何でしょうか。

平塚さん:子育て世代間での交流が非常にさかんに行われているので、そこが一番の魅力だと感じています。子どもを遊ばせても安心感がありますし、新しい方に対しても積極的に交流を図ってくださいますので、その点も吉川美南の「住みやすさ」につながっているのではないでしょうか。

イオンタウン吉川美南
イオンタウン吉川美南

峯岸さん:美南は何をするにしても、生活に不便を感じることはないと思います。街の景観もきれいですし、公園も大きくて、本当にいい街ですよね。最近は「イオンタウン吉川美南」が駅前にできましたし、車で10分も行けば「コストコ」や「IKEA」、「ららぽーと」、「イオンレイクタウン」もありますから、買い物をするには最高の立地です。車でお出かけをされる方も多いと思いますが、三郷インターも近いですから、どこに出かけるにしても便利です。実は自分も今、美南の辺りでアパートを探しているところなんですよ。

――皆さんがよく行かれる、美南エリア周辺のおすすめスポットを教えてください。

峯岸さん:私はやっぱり「美南中央公園」ですね。駅から歩いて行けますし、バーベキューもできます。3.6ヘクタールという広さも魅力なのでご家族やお友達と是非訪れてみてください。

駅近で、家族連れも楽しむことのできる「美南中央公園」
駅近で、家族連れも楽しむことのできる「美南中央公園」

千葉さん:私は「児童館ワンダーランド」のプラネタリウムをおすすめしたいですね。天候にもよりますが、定期的に天体観望会が行われており、親子で楽しむことができます。それから、吉川市は「芸術・文化の街づくり」を街のコンセプトに掲げているので、「吉川」駅から「吉川美南」駅にかけての武蔵野操車場跡地には、街のシンボルとして計8個のモニュメントが配置されています。春にはモニュメントを巡る街歩きなども楽しいと思いますよ。

――今回はありがとうございました!

吉川市役所の方々
吉川市役所の方々

吉川市役所

吉川市役所都市整備部 都市計画課 都市計画係 峯岸怜平さん
吉川市役所都市整備部 吉川美南駅周辺地域整備課 千葉俊樹さん、平塚雅史さん
所在地:埼玉県吉川市吉川2-1-1
電話番号:048-982-5111
URL:https://www.city.yoshikawa.saitama.jp/
※この情報は2018(平成30)年2月時点のものです。