小中学校のICT環境は日本一!「ゾウキリン」のいるまち「新座市」に、まちの魅力をインタビュー/新座市シティプロモーション課
武蔵野台地の自然林や、江戸時代に引かれた野火止用水など、懐かしい風景が今でも残り、「雑木林のまち」としても知られている新座市。SNSをはじめさまざまな新しい形のプロモーションを展開している。 その中でも、市中のいるといたるところで目にするのが「ゾウキリン」だ。全国的にも人気が高い“ゆるキャラ”のひとつだが、市役所で広報を担当している「シティプロモーション課」の土屋有里紗さんは、この「ゾウキリン」の運用を担っている一人。子ども時代を新座でどっぷり過ごし、「自分を育てたこのまちに恩返しをしたい」と、3年前、このPR職に就いたという。 今回はそんな土屋さんに、新座のまちの魅力とおすすめの場所をお聞きした。
市内外へ新座の魅力を発信する新部署
――まずは、新座市の概要と市の特色を教えてください。
土屋さん:新座市の特徴としては、都心への通勤・通学に便利でありつつ、自然豊かな環境もあって、のびのびと子育てができるというところだと思います。
――「シティプロモーション課」は新しく生まれた部署ということですが、どのような業務をされているのでしょうか。
土屋さん:今から4年くらい前に、この、新しい新座市の庁舎ができました。そのタイミングで組織編成が行われまして、以前はふたつの部署に分かれていた「観光推進課」と「市政情報課広報係」がひとつになって、新しく「シティプロモーション課」となりました。まちのPRを担当する部署になります。
新座市のイメージキャラクターに「ゾウキリン」という“ゆるキャラ”がおりますけれども、私はその活動をメインにやらせて頂いています。「ゾウキリン」のインスタグラムやフェイスブックなどもやっていますので、ぜひご覧ください。
便利で快適に暮らせ、住みつづけることでもっと楽しくなるまち
――新座市のシティプロモーションのキャッチコピー、「くらすにいざ ∞ ぷらすにいざ」に込めた想いを教えてください。
土屋さん:まず、「くらすにいざ」ですが、ここは「新座市には快適な暮らしを叶えるすべてがありますよ」と伝えている部分になります。通勤・通学・日常の買い物、どれをとっても便利なまち、子どもたちが木漏れ日の中でのびのびと学べるまち、さらに、「自分の好みの家がみつかるまち」という意味も込めています。
「ぷらすにいざ」は、「新座市には、次々に生まれるたくさんの魅力があります」ということを伝えている部分です。たとえば、快適な学校で学んで、地域の皆さんに見守られて育つ子どもたち、新たに生まれる美しいまち並み、にぎわいある商業空間、笑顔で働ける場所、といったものを表現しています。
そして、このような魅力も「今あるもの」だけではなくて、「まだまだ新しい魅力が生まれてくるんだよ」という思いも込められています。 さらに、この両側面がありつつも、「新座市の可能性はまだまだ無限大」という思いを込めて、間に「∞」(無限大)のマークを入れています。
未来を担う、若い世代を呼び込みたい
――新座市の魅力を届けるターゲットとして「30歳代の子育て世代」「市内大学に通う学生」を掲げておられますが、具体的にはどのようなプロモーションの取り組みをされていますか?
土屋さん:まずはファミリー世代の方が「ここで子育てをしたい」と思えるまちにしようということで、メインターゲットを「30代の子育て世代の方」としました。 サブターゲットの大学生については、新座市内には大学が3つもあり、そこに通う大学生も多く暮らしていますので、魅力を伝えることでまちづくりにも積極的に参加してもらえれば、という想いがあります。
プロモーションには主に3つの柱があります。まず1つ目は「地域が育てる、地域が育つ」という柱になります。この中では、新座にある自然を活用した自然体験のイベントや、文化体験のイベント、職業体験イベントの実施、プログラミング教育の充実などをやらせていただいています。
2つ目は、「新座市のファンづくり」という柱で、これは英語の「FUN」と「FAN」のふたつに掛けている言葉になりますが、「楽しむ」と「愛着をもつ」という両側面からファンづくり、魅力づくりをしていこうというものです。 具体的には、マルシェを開催したり、市内の大学生と連携して活動をしたり、今はコロナの影響でお休みをしていますが「ロケーションサービス」なども行っています。これは、新座市をドラマなどのロケ地として提供することで、メディアを通して、自分のまちに愛着をもってもらえるようにという取り組みです。
3つ目は「響くメディアの選択」ですが、「伝わるメディア」を選んで、効果的に魅力を発信していこう、ということで掲げています。具体的には、ソーシャルメディアを使ったPRや住宅情報サイトとタイアップしたPRを行っています。もちろんターゲット世代の方だけでなく、すでに住んでいる市民の方にも、この新座という地域にもっと関心を持って、愛着を持ってもらえるようにということで取り組んでいます。
子育て支援でも、地元の自然や資源を積極的に活用!
――新座市では子育て支援施策も充実しているそうですね。子育て支援の方針や概要を教えてください。
土屋さん:子育てに関しては「第2次新座市子ども・子育て支援事業計画」という計画を作っています。「子どもが、親が、地域が育つ 子育て応援都市にいざ」という言葉を基本理念に掲げ、この理念を具現化するための施策を行っています。新座市独特の部分ということですと、自然体験や文化体験ができるイベントの展開、教育のICT化、食育といった部分になってくるかと思います。
――体験というと、具体的にどのような内容ですか?
土屋さん:新座市で推進している「のびのび子育て活動」の一環としての体験イベントになります。今回は4点ほどご紹介したいと思います。
まず1点目は「立教スポーツ教室」です。これは、「立教大学」にご協力いただきまして、新座キャンパスの本格的な施設でスポーツ教室を開催しているものです。新座市内の各地から子どもたちが集まり、各部の顧問及び学生が指導者として野球、サッカー、テニスなどの各種スポーツ教室を行っています。なかでも乗馬体験は多くの子どもたちから人気があり、好評です。
2点目は「ココフレンド」です。これは、放課後等に子どもたちが安全・安心に集える居場所づくりを目的とした取組みで、市内すべての小学校で行っています。学年の違う子どもたちが校庭で一緒に遊んだり、季節ごとに素敵な工作をしたり、みんな思い思いに楽しい時間を過ごしています。地域の方々が見守りをしてくれますので、安心です。
3点目は「新座っ子ぱわーあっぷくらぶ」です。これは、市内の小学校や児童センターで行っている活動で、9月から翌年3月まで毎月2回、土曜日の午前中に各学校でクラブ活動が開かれています。たとえばソフトテニスだったり、カブトムシを育てるクラブだったり、書道や茶道だったりと多くのクラブが活動しており、毎年申込時に抽選を実施するほど人気の事業です。
4点目は、食育、学校給食の取り組みです。新座市は全部の小中学校で自校調理をしていますが、給食主任の方や学校栄養職員が中心となって、食育を積極的に推進をしています。地元の農家の方と交流をしたり、地元の野菜や、学校農園で栽培した野菜を給食で使ったり、給食だよりを作って、保護者の方にも伝わるような給食づくりをしています。
小中学校のICT環境は日本一!
――学校へのICT導入については、全国的にもトップレベルだと聞きました。
土屋さん:ありがとうございます。そうなんです、実は、新座市はつい先日、日経パソコンの『教育とICT』という媒体の「公立学校情報化ランキング」の中で、全国の自治体で第1位となりました。小学校も、中学校もです。インフラ整備がどこの自治体よりも早かった、という部分が大きいと思います。
――児童センターでは、プログラミングの講座なども行われているそうですね。
土屋さん:そうですね。子ども向けプログラミング活動「ICTラボ」を毎週土・日曜日に「福祉の里児童センター」で行っています。子ども向けに開発された「スクラッチ」というソフトを使って、子どもたちが自由にゲームやアニメーションづくりができる場所を提供しています。職員がついているので、プログラミングが初めての方でも安心ですよ。
便利なのに自然が豊か。そして教育の選択肢が多彩なまち
――土屋さんは子ども時代、新座市内の志木駅近くに暮らしていたそうですね。暮らすまちとしての新座・東北エリア(志木駅付近)の魅力と、市内にある魅力的な場所を教えてください。
土屋さん:志木駅については、東武東上線、有楽町線、副都心線が利用できますので、アクセスはとてもいいと思います。また、志木駅は東武鉄道の全駅の中でも、乗り換えのない駅としては乗降人数が最多ということで、駅の周りににぎわいがあって、商業施設も多くて、買い物などにはとても便利なエリアだと思います。 その一方で、近くに柳瀬川という川がありまして、この辺りは、お散歩をするのにもとても気持ちがいい場所になります。桜の時期が特にきれいですね。遊歩道沿いに桜が満開に咲きます。それから、秋にはヒガンバナも咲いたりして、四季折々の自然を楽しんでいただけるかな、と思います。
――子育て環境、教育環境としてはいかがでしょうか?
土屋さん:教育環境も、公立学校はもちろん、私立の学校もいくつもありますので良いと思います。「立教大学」は中学、高校、大学とありますし、志木市側になりますが、慶応義塾志木高等学校もありますし、選択肢が多いところだと思います。 子育て支援についても、現在の市長が幼稚園の園長先生出身で保育にかなり力を入れていまして、ここ数年の間でもいくつも保育園ができていますし、安心して子育てをしていただけるまちじゃないかな、と思います。
それから、新座市は畑が今でもけっこうあって、地場野菜がとても美味しいです。これも子育て中の方には魅力だと思います。いろんなところに野菜の無人販売所があったり、野火止用水公園の横には「新座農産物直売センター」という大きな直売所もありますので、新座でとれた美味しい野菜を食べて、地元に愛着を持っていただけたら嬉しいですね。
――最後に、周辺のおすすめスポットを教えてください!
土屋さん:ひとつは「野火止用水」ですね、これはぜひ見ていただきたいと思います。この野火止用水は玉川上水から分水して、小平市や新座を通って、志木市まで行く全長24kmの用水路なのですが、新座市の部分には道路敷化されていない部分がけっこう残っていまして、遊歩道も整備されています。春は桜、初夏には新緑、秋は紅葉と、表情を変える自然を楽しめるかと思います。
もうひとつ見ていただきたいのは「妙音沢」ですね。ここは「平成の名水百選」にも選ばれた清流が流れているところになります。きれいな水にしか生息しないサワガニなど、珍しい生物がいるので、そういったところもお子さんと一緒に、自然を体験しながら、楽しんでいただければと思います。 それから、この妙音沢には2014年に見つかった新品種の桜がありまして、「妙音沢旗桜」(みょうおんさわはたざくら)という名前が付けられましたが、これもぜひ見てみてほしいですね。花びらの中に雄しべが変形してできた「旗弁(きべん)」があり、花びらが二重についているように見える真っ白な桜です。
ほかにもまだまだ、いろんな魅力的な自然があるまちですので、ぜひいろいろ散策して、新しい新座の魅力を発見していただければと思います!
新座市シティプロモーション課
新座市総合政策部シティプロモーション課 主任 土屋有里紗さん
所在地:埼玉県新座市野火止1-1-1
電話番号:048-424-4686(直通)
ゾウキリン(新座市産業観光協会)
https://www.facebook.com/zoukirin.official/
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※この情報は2022(令和4)年3月時点のものです。