小中一貫教育を目指した取組を進める 「川越市立大東西中学校」

交通の利便性に優れた川越南台エリアを学区域とする「川越市立大東西中学校」。1987(昭和62)年開校の地域に根ざした学校で、「川越市立大東西小学校」とともに小中一貫教育を目指した取組が進められている。

今回は2022(令和4)年度に着任した小金井幸則校長先生を訪ね、「川越市立大東西中学校」の概要や特色、地域の魅力などについてお話を伺った。

「川越市立大東西中学校」校長 小金井 先生
「川越市立大東西中学校」校長 小金井 先生

1987(昭和62)年の開校より37年目を迎える「川越市立大東西中学校」

――まず学校の沿革・概要について教えてください。

小金井先生 「川越市立大東西(だいとうにし)中学校」は1987(昭和62)年の開校で37年目を迎えます。沿革によると大東中学校の過大規模化を解消するために大東西小学校区として本校が設立されました。「川越市立大東西小学校」は1874年(明治7)年創立の歴史ある学校で、卒業生はほぼ全員が本校へと進学することになります。

生徒数は2023年8月末時点で338名になる見込みです。去年と比べると少し増えましたが、例年ほぼ同じくらいの生徒数で推移しています。

「川越市立大東西中学校」の外観
「川越市立大東西中学校」の外観

「大東西小学校」との小中一貫教育を目指した取組がスタート

――学校の特色についてお聞かせください。

小金井先生 「大東西小学校」の卒業生がほぼ全員本校に入学するため校舎が一緒であれば小中一貫校としてそのまま運営することができると思います。そこで現在小中一貫教育を目指した取組を行っています。具体的には、学校行事だけでなく、小学校と中学校の先生が教科のうえで連携することを目指しています。

川越市では、子どもたち同士で学び合う「川越授業スタンダード」が取り組まれている
川越市では、子どもたち同士で学び合う「川越授業スタンダード」が取り組まれている

川越市には「川越授業スタンダード」というものがありまして、市内にある小・中学校すべての学校で取り組んでいます。今年で4年目になりますが、主体的・対話的で深い学びを促す授業の基本的な進め方が示されています。

まずどんな授業をするのか課題を確認するところからはじまり(めあて)、次にどのように学習するかの見通しを立てます(見通し)。そして授業の中心となるのがおたがいに学び合う時間(対話・協働)で、後半には授業で何をやったかのまとめを行い(まとめ)、一人ひとりに授業の振り返りをしてもらいます(振り返り)。

黒板に向かって授業を受ける一般的な講義形式ではなく、子どもたち同士で学び合うのが「川越授業スタンダード」の特徴です。

部活動も熱心に行われている、広々とした校庭
部活動も熱心に行われている、広々とした校庭

――ICTの取組はいかがでしょうか?

小金井先生 市内の他の中学校と同じように2020(令和2)年度にタブレットが配布され、ICTを活用した授業が進められています。また各教室には電子黒板があり、ICT機器を活用した授業等も進められています。

ICTを活用したことによって気がついたことですが、普段授業では発言しないような子がタブレットを使うと意見を出せるということがありました。他の子どもたちも、普段発言しない子がこんな考えを持っていたのだということがわかり、大変貴重な気づきになったと思います。

生徒が主体的に取り組む「とどけ挨拶、ひらけ朝読書、ひびけ歌声、みがけ清掃」

――部活動や生徒会活動など授業以外の取組についてもお聞かせください。

小金井先生 部活動は男女合わせて11部活あります。どの部活も熱心に取り組んでいると思います。バスケ部や野球部、陸上部など県大会に出場している部活もあります。

部活動の賞状も数多く飾られている
部活動の賞状も数多く飾られている

また生徒会活動も盛んで学級員会以外に7つの委員会があります。注目いただきたいのは本校には4つの伝統がありまして、「とどけ挨拶、ひらけ朝読書、ひびけ歌声、みがけ清掃」この4つを合言葉に生徒会活動が中心になって取り組んでいるところです。

伝統的に読書活動も推進されている
伝統的に読書活動も推進されている

体育祭や合唱祭など小学校との交流も再開

――地域や小学校との交流はいかがでしょうか?

小金井先生 コロナ前の話ですが、本校の子どもたちが小学校に行ってあいさつ運動をしていたそうです。地域の方から「大東西中の生徒さんはよく挨拶してくれます」とお褒めの言葉をただいたこともありますが、小学校もしっかり挨拶できる子が多く、この地域の子どもたちの特徴かなと思います。

ようやくコロナも落ち着いてきたところなので今年度からあいさつ運動を再開しようかなと考えています。

気持ちのいい挨拶が、地域の方々にも届いている
気持ちのいい挨拶が、地域の方々にも届いている

また小学校との交流もようやく再開しはじめたところで、一学期の体育祭には「大東西小学校」の6年生を招待しました。本校には集団行動というプログラムがありまして、毎年体育祭で披露していますが、それを小学生に見てもらいました。

集団行動というのはテレビなどで大学生がやっているのをご覧になったことがあるかも知れませんが、歩きながら斜めに交差したり、号令に合わせてターンしたり、中学生とは思えないほどの動きで、実際にご覧いただくと「おぉー!」と驚かれると思います。

また二学期は合唱祭、小学校では音楽会がありまして、本校の生徒が小学校に行って歌を披露する予定です。

地域の方に見守られているという安心感

――登下校時の見守りや自転車通学などについてお聞かせください。

小金井先生 学区域が広いので質問をいただくこともありますが、本校では自転車通学は認めていません。なかには16号を越えて駅周辺から来る子もいるので自転車利用には心配があるという点が理由の1つです。

ただ、登下校の際には小学校を中心に見守りをしてくださっていて、要所要所に保護者や地域の方が立ってくださっているので安心だと思います。先ほどの挨拶の話もおそらく登下校時のことかと思いますが、小学生の時から地域の方々に見守られているという感覚があるので、中学生になっても安心して挨拶を交わしているのだと思います。

地域の方々にも見守られている安心感があるという
地域の方々にも見守られている安心感があるという

交通の利便性にすぐれた子育てしやすい環境

――川越南台エリアで子育てをする魅力について教えてください。

小金井先生 南台のあたりは交通の便が良いので新しく移り住んで来られる方も多くいらっしゃると思います。西武新宿線で「南大塚」駅から「西武新宿」駅まで直通で行けますし、「本川越」駅から「川越市」駅に出れば東武東上線が利用できます。また「川越」駅からJR線を利用することも可能です。さらに車を利用する方にとっては関越自動車道のICがすぐ近くにあるのでとても便利だと思います。

都心へもアクセスしやすい「南大塚」駅
都心へもアクセスしやすい「南大塚」駅

また南台には駅の近くに大きな公園があるのも子育てする方にとっては魅力的だと思います。実は私の親戚が南台に住んでいまして、小さい頃に公園でいとこと遊んだ記憶もあります。この学校に着任したときにご縁のようなものを感じました。また「川越水上公園」も近くにあるので、まさに子育てにもってこいの環境ですね。

遊具もそろう「南台ふじみ公園」の様子
遊具もそろう「南台ふじみ公園」の様子

さらに本校の近くには「埼玉県立川越南高等学校」などがあり、自転車で通える距離に高校があるというのも恵まれた環境だと思います。

――おすすめのスポットがあればご紹介ください。

小金井先生 そうですね、学校の隣にぶどう畑がありまして季節になると直売もやっているので、私にとって楽しみのひとつです。また近くに「川越総合卸売市場」がありまして、市場の中に一般の人でも利用できる飲食店があるんです。有名なラーメン店もありまして個人的に気に入っています。

すぐ隣に広がるぶどう畑の様子
すぐ隣に広がるぶどう畑の様子

また本校の屋上からは南西に富士山、西に秩父連山、北西には赤城山も見渡せて景色がとても見事です。近くには入間川も流れていて自然に恵まれているのもこの地域の魅力だと思います。

教職員が自分の子どもを通わせたくなる学校づくりを目指して

――今後、川越南台エリアにお住まいになられる方に向けてメッセージをお願いします。

小金井先生 本校の生徒たちはとても素直でがんばり屋です。また伸びようとする気持ちがとても強いので、学校としてはそういう子どもたちをどんどん伸ばしてあげたいと思っています。

年度はじめに先生方に、自分の子どもを通わせたくなるような学校づくりを目標にやっていきましょうと話をしました。またこれからも小中一貫教育を目指した取組も進めていきます。今後、移り住む方もお子さんを安心して学校に通わせられるよう、責任を持ってお預かりいたします。

 

埼玉県川越市・「川越市立大東西中学校」
埼玉県川越市・「川越市立大東西中学校」

川越市立大東西中学校

校長 小金井幸則先生
所在地:埼玉県川越市藤倉1-1-1
電話番号:049-246-7166
URL:https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kosodatekyoiku/sho-chu-ko-shien/chugakko/daitonishi/index.html
※この情報は2023(令和5)年7月時点のものです。

\ 私が紹介しました/

admin